神奈川県相模原市にある「JAXA相模原キャンパス」は、国立研究開発法人JAXA(宇宙航空研究開発機構)の研究拠点のひとつです。最先端の宇宙科学技術開発のための設備があり、国内外から集まった研究者による研究開発が日々行われています。
2018年2月にJAXA相模原キャンパス内にオープンした「宇宙科学探査交流棟」は、小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルをはじめ、実際に宇宙科学研究に使われた実物や実験機の展示などが見られる施設です。これらの展示は一般に無料公開されていて、JAXAの解説員による解説ツアーもあります。
JAXA相模原キャンパスまでは都心から1時間ほど
都心からはクルマで約1時間。東名高速道路の横浜町田インターチェンジを降りて20分ほどで到着します。JAXA相模原キャンパスの見学者向けの無料駐車場は7台ですが、隣にある相模原市立博物館には無料駐車場が95台あります。プラネタリウムや天文展示室などがあるので両方見学することにしました。
解説ツアーは驚きの連続
今回参加したJAXAの解説ツアーは、はやぶさの回収にも携わった並木さんが“小学生にもわかりやすい宇宙科学技術”を説明してくれました。
JAXA相模原キャンパスでは、2つの固体燃料ロケットを見学することができます。「M-3SⅡ-1型」は、約20年前に探査機を載せて発射したロケットです。「M-V型」は、10年くらい前まで使用されたロケットで、長さ30m、重さが約140tあります。固体燃料のロケットだからこそ、燃料は地上で燃焼試験により使用したため展示することができるのだそうです。
次に、隣の宇宙探査実験棟に移動して、2階のガラス張りの通路から吹き抜けになっている1階の実験施設を見学しました。
施設内は、外光を遮断する暗室や人工太陽光照明灯により月の環境を再現しています。壁や天井も実際に宇宙を模擬するように黒く塗られていました。砂の粒の大きさは、実験の再現性を高めるため、0.3~0.6mmで統一されているそうです。
宇宙科学探査交流棟に戻り、観測用大気球の説明を聞きました。
観測用大気球の実際の大きさは、大きいものでは直径100mもあり、展示の約20倍だそうです。とても薄く軽いものですが、縦横どちらに引っ張っても、また-80℃の極寒でも裂けることなく、上空の気圧の低いところで膨らんでも200%の伸びに耐えられるように開発加工されていると言います。大気球の素材にも触らせてもらいました。
小惑星探査機「はやぶさ2」と月周回衛星「かぐや」
宇宙科学探査交流棟では、小惑星探査機「はやぶさ2」や月周回衛星「かぐや」がハイビジョンカメラで撮影した月面のようすが見られます。
「はやぶさ2」が小惑星に着陸する際に目印となる「ターゲットマーカ」の解説をしてくれました。「はやぶさ2」の模型をカメラでフラッシュ撮影すると、反射材で光って写る部分があります。それがターゲットマーカだそうです。
ここでは、「はやぶさ」のカプセルがオーストラリアに降下したときに、回収したカプセルとパラシュートの実物を見ることができます。カプセルが着陸したら、風を受けて別の場所に飛んでいかないようにパラシュートは自動で外れるようにできています。着陸した日が偶然無風だったため、パラシュートも一緒に回収することができたそう。これはとても珍しいことだと言います。
解説ツアーの最後は、身近な天体でもある、月の探査について。こちらでは、月の模型と月周回衛星「かぐや」が撮影した映像を観ることができました。地球からは見ることができない月の裏側の様子を、月周回衛星「かぐや」からの詳細なデータにより知ることができるようになったそうです。
解説ツアーは、宇宙科学技術をわかりやすく
ツアーはここで終了ですが、今回は特別に宇宙科学探査交流棟の責任者の佐竹さんに、施設と解説ツアーのコンセプトについてお話を伺いました。
「宇宙科学探査交流棟の展示は、過去にどんな研究や発見があったかということだけではありません。まさに今、そして将来、JAXAは何を研究しているのか、ここに来ればわかるよう、どんどん新しい情報に更新しています」と佐竹さん。
宇宙科学探査交流棟の展示物は基本的に大人向けで、子どもには難しい内容もありますが、解説ツアーで子どもが参加する場合は、楽しんで理解できるように、見学コースや説明をわかりやすくしているそうです。「年齢を問わず、解説ツアーで多くの人に宇宙科学研究について知ってもらいたい」とおっしゃっていました。
子ども向けには、「はやぶさ2」についてのパネル展示を開催しています。夏休みの自由研究の題材として「はやぶさ2」を研究するのであれば、こちらでわかりやすく学ぶことができます。
食堂で「食べられる小惑星」を味わう
JAXA相模原キャンパスでは、敷地内の食堂も利用できます。(平日11:30~13:30)
名物は、オリジナルメニューの「プラネットカレー」。一見すると、お子さま向けですが、味は辛口のブラックカレーです。この日はハンバーグのかわりにカツが乗っていました。
宇宙研生協で「宇宙のおみやげ」を買おう
食堂に隣接している「宇宙研生協」(宇宙科学研究所生活協同組合)では、職員向けの書籍や軽食・文房具・日用品などのほか、見学者向けのお土産として宇宙食やロゴ入りの衣類など、宇宙関連グッズが販売されています。
「宇宙研生協」の営業時間は平日の9:30~16:30ですが、営業時間外も店頭のカプセルトイで、ロケットや人工衛星のミニチュアを購入することができます。
相模原市立博物館で「はやぶさ」とご対面
JAXA相模原キャンパスを見学したあとは、道を挟んで反対側にある相模原市立博物館へ向かいました。
相模原市立博物館には、プラネタリウム・天文展示室などがあり、一部の展示はJAXA相模原キャンパスから貸し出されています。
館内にあるドーム径23m・座席数250席のプラネタリウムでは、その時期に応じた星空解説ガイドや、全天周映画が観覧できます。また、天文展示室には実際に触れる本物の隕石の展示などがありました。※プラネタリウムは有料(大人500円、こども200円)
相模原市立博物館では、歴史や自然についても学べます。プラネタリウムもあるので小さな子どもでも飽きることなく過ごせました。JAXA相模原キャンパスと相模原市立博物館、どちらも宇宙への理解が深まる施設なので夏休みの自由研究にもぴったりです。
解説ツアーの開催日はネットで確認を
JAXA相模原キャンパスの解説ツアーは、予約不要ですが開催日時が限られているのでお出かけ前にホームページでご確認ください。
▼JAXA相模原キャンパス 宇宙科学探査交流棟
住所:神奈川県相模原市中央区由野台3-1-1
URL:http://www.isas.jaxa.jp/visit/
▼相模原市立博物館
住所:神奈川県相模原市中央区高根3-1-15
URL:http://sagamiharacitymuseum.jp/
最後は広い公園でからだを動かして遊ぼう!
宇宙について学んだ後は、隣接する淵野辺公園へ。野球場もあるとても広い公園で、木造の大型遊具では子どもたちがたっぷり体を動かして遊ぶことができます。
今回のドライブで利用したクルマ:トヨタ ヴォクシー
普段大きい車に乗りなれていない方でも比較的運転しやすいサイズのクルマです。また、車内は広々と設計されていて、家族でくつろぎながら移動時間を楽しむことができました。重心が低いので、走行中の車体の揺れが少ないのも長距離移動には嬉しいポイントです。少し遠出のドライブにもぴったりな「ヴォクシー」は、ミドル料金でご利用いただけます。
▼「トヨタ
ヴォクシー」があるステーションはこちら
https://www.careco.jp/car/toyota-new-voxy/
▼料金についてはこちら
https://www.careco.jp/plan/