ドライブの知識

夜の運転を安全に!暗さだけじゃないナイトドライブのポイント

昼間の運転は慣れているけれど、夜のドライブは少し怖い――。

クルマに乗り慣れた人でも、そう思っている人は少なくありません。でも、日中の混雑を避けての移動や夜景鑑賞、冬にはイルミネーション……と、夜ならではのメリットやイベントはたくさんあります。少し勇気を出して、夜のお出かけに慣れてみませんか?

ここでは、夜間の運転での注意点と、その対策法を説明します。事前に知っておけば、自然と落ち着いて運転できるようになります。

<目次>
なぜ、夜は運転しづらいの?
夜の運転で意識すべき5つのポイント
駐車場での注意点もある
日の傾きに気付いたら、すぐにライトオン
曇って来たらACオン
ポイントを意識して、楽しいナイトドライブを!

なぜ、夜は運転しづらいの?

当たり前ですが日中は明るく、目視でずっと遠方まで確認することができます。一方、夜間はクルマのヘッドライトが照らす範囲と、外灯で照らされている範囲が頼りになり、標識や車線を視認しづらくなるものです。

ヘッドライトの照射範囲の外は真っ暗で見えづらくなる
ヘッドライトの照射範囲の外は真っ暗で見えづらくなる

また、サイドミラーやルームミラーによる後方の確認も難しくなり、十分な灯火を持たない歩行者や自転車の発見が遅れます。対向車のヘッドライトのまぶしさによって、視界がせまくなることも、運転がしづらい要因です。

夜の運転で意識すべき5つのポイント

スピードの出しすぎをはじめ、夜の運転で気をつけるべきポイントは、大きく5つあります。

●スピードに注意
夜間運転の苦手な理由が「まわりの光が見づらくなるから」なら、原因はスピードの出しすぎかもしれません。

夜間の運転は視界がせまくなり、目に入ってくる情報が限られます。流れる景色から速度を把握しにくくなるため、思っていた以上にスピードが出てしまっていることも。

夜は知らず知らずのうちにスピードが上がってしまいがち
夜は知らず知らずのうちにスピードが上がってしまいがち

運転していて、「見えづらいな」と感じたら、スピードメーターを見て、スピードを出しすぎていないか確認しましょう。制限速度内であっても見えづらさを感じたら、見やすくなるまでスピードを落として走行すると安全です。

個人差はありますが、人間の眼は構造上、暗い場所では視力が落ちます。「夜間視力」と呼ばれる現象で、ほとんどの場合は適切なメガネの着用で対応できるそうです。夜間の走行時、あまりに見づらさを感じるようなら、眼科に相談することも検討するといいでしょう。

●対向車を注視しない

走行中、あるいは赤信号等で停車中、対向車のヘッドライトがまぶしく感じることがあります。そんなときは、意識して視線をヘッドライトからそらすことが大事。

対向車のライトを注視してしまうとほかが見えづらくなる
対向車のライトを注視してしまうとほかが見えづらくなる

人は、気になったものを無意識に視線で追いかけます。まぶしさが不快でも、意識してそらさないと視線は無意識にヘッドライトを追いかけてしまうのです。ヘッドライトを直視した瞳は、明るさに順応するための「明順応」を起こし、対向車とすれ違ったあとは、暗さに順応するための「暗順応」を起こします。

明順応、暗順応を起こしている最中は、周囲の状況がひどく見えづらくなるので、なるべく眩しい部分に視線を向けないように意識すうことが大切なのです。

なお、対向車のドライバーにまぶしい思いをさせないよう、ヘッドライトのハイビームとロービームは適時、切り替えましょう。遠くまで照らすハイビームは、対向車のドライバーにまぶしさを感じさせてしまいます。

●歩行者や自転車の確認を念入りに

十分な灯火を持たない歩行者や自転車は、日中と比べて発見が遅れます。横断歩道のある道路や交差点での右左折時、駐車場への出入りでは、昼間以上に「歩行者や自転車がいるかもしれない……」と、周囲をしっかりと確認しましょう。

住宅街や細い道は特に、歩行者や自転車に注意したい
住宅街や細い道は特に、歩行者や自転車に注意したい

交差点の右折時は、対向車のヘッドライトの影響により横断歩道をわたる歩行者や接近してくるバイクが見えづらくなります。右折時は、特に横断歩道に注視して、焦らずゆっくり進んでください。

●幹線道路や高速道路、トンネル内

ドライバーは、流れる景色から速度を感じています。このときに感じる目からの刺激を、「流体刺激」と呼びます。「スピード感」と呼ばれる感覚は、この流体刺激によるものです。

運転中、ドライバーは流体刺激で速度を感じながら、時折スピードメーターを見て速度を確認し、調整しています。幹線道路や高速道路、トンネル内は、流体刺激が弱まって速度の感覚を失いやすく、スピードを出してしまいがち。

交通の流れが速くても自分のペースで安全に走ろう
交通の流れが速くても自分のペースで安全に走ろう

また、道が空いている夜間は、全体的に交通の流れも速くなるため、特に幹線道路や高速道路、トンネル内では、スピードが出やすいことを意識して走行することが大切です。2車線以上ある道路なら一番左の車線を走行し、速いクルマには追い抜いてもらいましょう。安全のためだけでなく、「速く走らなきゃ」という心理的な負担も低減します。

前を走るクルマ(前走者)と同じスピード、同じ車間距離で走行を続けていると、前走車と自分がまるで動いていないかのような感覚に陥ります。この現象は「追従静止視界」と呼ばれるので、この状態になると運転感覚が鈍くなり、前走車がブレーキを踏んだ際などの対応が遅れます。

前のクルマだけに意識を集中させず、景色の流れを感じることも大事
前のクルマだけに意識を集中させず、景色の流れを感じることも大事

また、前走車がスピードを上げると、無意識に自分もスピードを上げて、車間を維持しようとしてしまうのも、注意しなくてはいけないところ。夜間は、昼間よりも車間距離を大きく取り、意識して前走車以外にも視線を向けるなど、追従静止視界に陥らないようにしましょう。

●住宅街で

道路が狭く、入り組んでいることの多い住宅街では、歩行者や自転車に気をつけるのはもちろん、標識の見落としにも注意します。住宅街では思わぬところに一時停止や進入禁止があるものです。また、学校や保育園、商店街の近くの道路には、時間指定が定められていることがよくあります。標識の見落としには、十分に気をつけましょう。

一時停止や一方通行、時間指定に注意
一時停止や一方通行、時間指定に注意

クルマは歩行者や自転車、対向車がいない場合は、原則としてハイビームでの走行が義務付けられています。人通りのある住宅街ではロービームによる走行が主体になりますが、適時ハイビームを利用することで、標識を見逃さないよう注意しましょう。

駐車場での注意点もある

駐車場では、日中であっても物陰やほかのクルマの陰に子どもがいないか、駐車スペースに障害物がないかといった注意をはらって駐車を行いますが、夜間になると外灯があっても陰は暗くなり、子どや障害物が一層、見づらくなるため、昼間以上の注意が必要です。

サイドミラーやルームミラーによる確認だけでなく、しっかりと目視による確認を行い、いつでも停止できるスピードで駐車を行いましょう。

後退時には明るく映るバックモニターでの後方確認を
後退時には明るく映るバックモニターでの後方確認を

暗い駐車場では特に、自車のヘッドライトの明るさにより、周囲が暗く、見えづらくなります。そんなときは、ロービームを消して、車幅灯(スモールライト)に切り替えるも有効です。

また、バックモニターの映像は実際よりも明るく見えるため、後退時にはバックモニターも併用しながら安全確認を行うといいでしょう。どうしても見えづらいときは「大丈夫だろう」と見込みで判断するのではなく、クルマを降りて確認することも大切です。

日の傾きに気付いたら、すぐにライトオン

警視庁によれば、1日のうちでもっとも事故の多い時間は17時台。ついで18時台、19時台……となっているそうです。事故のおよそ半分は「クルマと歩行者」によるもので、その原因の約85%は「道路を横断している歩行者とクルマ」の接触です(参考:警視庁 薄暮時間帯における交通事故防止

運転中に少しずつ暗くなってくると、暗くなっていることに気づきづらいもの。「ライトをつけなくちゃ」と思ったとき、実際にはすでに真っ暗……という事態になりがちです。警視庁も、「運転者の中には、周囲が見えづらくなっても前照灯を点灯せず、前方が見えなくなってはじめて点灯するケースが見られます」と、ライトオンが遅れがちになることに触れています。

オートライト義務化以降のクルマではヘッドライトスイッチにオフ位置がない
オートライト義務化以降のクルマではヘッドライトスイッチにオフ位置がない

2020年4月以降の新車にはオートライト機能の装着が義務化され、カレコでもすでに多くのクルマがオートライト装着車となっていますが、一部オートライト非装着のクルマもあります。オートライト非装着車を利用している場合、まだ十分に明るいと感じても車幅灯ではなく、きちんとヘッドライトを点灯して走行するようにしましょう。

曇って来たらACオン

夜になって気温が下がると、車内の湿度が上昇し、ウィンドウが曇りやすくなります。フロントウィンドウが曇ると、視界がボヤけることに加え、対向車のライトの光が乱反射を起こして、ひどく視界が妨げられます。

曇ってきたらACオンは夜間だけでなく雨天時にも有効
曇ってきたらACオンは夜間だけでなく雨天時にも有効

夜間に限ったことではありませんが、ウィンドウが曇り始めたらエアコン(AC)とデフロスターのスイッチを入れ、ウィンドウの曇りを除去しましょう。

ポイントを意識して、楽しいナイトドライブを!

夜間の運転に慣れれば、帰りが遅くなるようなときも気兼ねなくクルマで出かけられますし、夜景を見に行くドライブなど、アクティビティも広がります。

夜間の走行はスピードが出てしまいやすい、歩行者や自転車が見えづらくなるなど今回、解説したポイントを意識して(もちろん眠気にも)、楽しいナイトドライブを満喫してください。カレコなら、夜間パックでおトクにドライブできますよ!

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