首都圏を中心に展開するカレコ・カーシェアリングクラブ。そのカレコを運営するカーシェアリング・ジャパン株式会社の代表取締役 村山 貴宣のインタビューを3回にわたってお届けします。第2回の今回は、カレコが取り組む「環境・街づくり」「地域密着」についてです。
※カーシェアリング・ジャパン株式会社は、2017年4月1日に三井不動産リアルティ株式会社と合併いたしました。
カレコの方向性を示す4つのキーワード
ブログ編集部
前回は、カーシェアリングを「豊かな暮らしを支える次世代の交通インフラ」と位置付け、サービスを展開していることを伺いました。今回は、ホームページにも掲げている事業展開の「4つのキーワード」について教えてください。
村山
当社では、カーシェアリングを“豊かな暮らしを支える次世代の交通インフラサービス”と位置付けています。その実現に向けて、次の4つのキーワードを軸に事業を進めています。順に、具体的な取り組みについて説明しましょう。
- 環境・街づくり
- 地域密着
- Smart & Fun
- パートナーシップ
環境への取組と街づくりへの貢献
村山
まず、「環境・街づくり」の“環境”の部分ですが、「クルマを持たずに、使いたときに使いたい分だけ利用する」というカーシェアリングそのものが、環境にやさしいシステムなんです。車を必要なときだけ使うようになるので、マイカー所有時と比べて走行距離が短くなり、CO2の削減につながるからです。
しかもカレコでは、燃費にすぐれた車種、具体的には「プリウス」などのハイブリッドカー、「ノート」「ヴィッツ」などのコンパクトカーを積極的に導入しています。一部に電気自動車も設置しています。
カレコでは、「カーシェアが環境にやさしい」ことが分かりやすくなるよう、企業としての環境活動も行っています。具体的には「カーシェアの走行距離に応じた植樹活動」もその一例です。1万キロメートル走るにつき、1本の植樹を行っており、年に一度、会員の皆さまと実際に植樹するイベントを行っています。
また、カーシェアによって発生するCO2を相殺し、環境団体の活動に寄与するオフセット・クレジットの購入もしています。
ブログ編集部
なるほど。エコなイメージだけではなく、カーシェアリングを利用される会員のみなさまにもわかりやすい形で、実際に環境のための活動も行っているのですね。ひとつめのキーワードでは、その環境ともうひとつ「街づくり」を併せて挙げていますね。
村山
カーシェアリングを通じて豊かな暮らしを支えたい。そこには、カーシェアリングが普及することで、環境へも配慮した、住みやすく便利な街づくりに貢献したい、そんな想いが込められています。
千代田区や福生市などの自治体や、品川区大崎エリアで、一般社団法人 大崎エリアマネージメントが進める「低炭素化・災害に強い街づくり」の一環として、電気自動車によるカーシェアリングを運営しているのもこうした考えに基づくものです。
また、都市部の分譲マンションでは、施設サービスとしてカーシェアリングを完備する傾向がスタンダードになりつつあります。マンション自体が大勢の方がお住まいになるひとつの「街」ともいえ、マンション敷地内はもちろん、近隣にもカレコステーションを配備する当社ならではのサービスで、入居後の暮らしやすさや利便性を実現していきたいと思います。
このような「街づくり」への想いから、2011年10月に東日本大震災の復興支援として宮城県石巻市で取り組んだものが、カーシェアリングサービス「みんなのクルマ」プロジェクトです。私たちのカーシェアリングのノウハウが、少しでも被災地のみなさまの暮らしのお役に立てばと、社員全員で話し合い立ち上げたプロジェクトです。
地域に密着したサービス展開
ブログ編集部
続いてのキーワードは「地域密着」です。コンビニのように密度の高いステーション展開をされていますが、他にどのようなことを行っていらっしゃるのでしょうか?
村山
カーシェアリングがコンビニのように便利で身近なサービスとなり、地域の皆さまの暮らしの一部としてカーシェアリングをご利用いただくには、地域の皆さまのご理解とご協力が不可欠です。カレコでは千代田区など自治体と一緒にカーシェアリングサービスを提供しているケースもありますし、地元のお祭り・イベントに参加して交流を深めながら、カーシェアのことを知っていただくというような活動も行っています。その地域の実情やニーズに合わせて展開していきたいと考えています。
ブログ編集部
「地元のお祭りに参加して交流を深める」ということまでやってらっしゃるのですね。気持ちも「地域密着」という感じですね。
最終回は「Smart & Fun」「パートナーシップ」について聞く!
カレコが取り組む「環境・街づくり」と「地域密着」。ステーション設置を密度高く行うだけでなく、お祭りに参加して地元の人との交流とカーシェアへの理解を深める姿勢には驚きました。インタビュー最終回となる次回は、残りの2つのキーワード「Smart & Fun」「パートナーシップ」を中心にお届けします。