蒸し暑い日が続くこれからの季節、観光に行くのも涼しい場所を選びたいもの。山梨県にある洞窟「富岳風穴」と「鳴沢氷穴」は、真夏でも2~3度にしかならない天然の避暑スポットです。天然記念物にも指定されている洞窟の中は、探検をするようなスリルも味わえます。
都心から2時間ほどの道のり
都心から「富岳風穴」、「鳴沢氷穴」に一番近い高速道路の降口、中央自動車道「河口湖IC」までの所要時間は90分ほど。「富岳風穴」「鳴沢氷穴」は、それぞれ高速道路を降りて20分ほどで到着します。東名高速道路を使用する場合は、「御殿場IC」で降りてから東富士五湖有料道路を経由すると45分ほど。「富士IC」から降りて西富士道路を使用しても45分ほどで到着します。
「富岳風穴」「鳴沢氷穴」の駐車場はともに無料で、「富岳風穴」は150台、「鳴沢氷穴」は100台の駐車スペースがそれぞれ用意されています。この日は先に「富岳風穴」へと向かいました。
真夏でも肌寒い富岳風穴
富士山の北西に位置する青木ヶ原。およそ30平方キロメートルも緑が広がる様から「樹海」とも称されます。しかし、昔から今の姿だったわけではありません。
864年に発生した、富士山北西山麓の大規模噴火。青木ヶ原には大量の溶岩が流れ込み、かつての森林地を焼け野原にしました。その後、1000年以上の月日をかけて緑を育み、今の樹海が作られたそうです。
また、このときの大規模噴火で流れた溶岩は、無数の「火山性洞窟」や「溶岩洞窟」を作りました。その中で特に規模が大きいものが「富岳風穴」と「鳴沢氷穴」です。
駐車場から自然歩道へと進み、心地良い自然の風を浴びながら2分ほど歩くと「富岳風穴」に到着します。受付にヘルメットが用意されていて、借りることができます。
階段を降りて洞窟の入り口に近づくと、冷たい風が肌をなでます。風穴とは、気温差や気圧差により風(空気の流れ)のある洞窟のことです。洞窟内の平均気温は3度。「鳴沢氷穴」内も同じ平均気温ですが、風により体感温度は「富岳風穴」の方が低いとされています。
洞窟に入ると、ライトアップされた氷柱が出迎えてくれます。洞窟内は薄暗いものの、照明が施されているため困ることはありません。濡れている場所や歩きづらい場所があるので、歩きやすい格好をして履き慣れた靴を履いていきましょう。
「富岳風穴」は流れる溶岩により作られたもので、水平に伸びる形になっています。岩壁は音を吸収する性質を持っている玄武岩質で、狭い空間でも声や音が反響しません。
明治時代に効率よくカイコに繭(まゆ)を作ってもらうため、卵の状態で「富岳風穴」内に保管し、必要な分を外へと持ち出して、暖かい環境に置いて孵化させていたと、現地の掲示にありました。昭和30年頃から40年頃にかけては、スギやヒノキといった樹木の種子を効率よく発芽させるため、「富岳風穴」内で保管していたそうです。
最深部では、壁一面に珪酸華(けいさんか)と呼ばれる苔の付着する岩壁を見ることができます。この珪酸華は洞窟にすむ微生物のエサになっており、一面に群生するのは珍しいそうです。洞窟はこの先も続きますが、見学ができるのはここまでなので、来た通路を戻ります。
「富岳風穴」の総延長は201メートル。じっくり見て回っても、20分ほどです。天候により、洞窟から出るとメガネやカメラのレンズが曇ることがあります。念のため事前にメガネ拭きを用意しておきましょう。
駐車場の前にある売店「森の駅 風穴」では、ご当地グルメの「吉田うどん」や「富士宮やきそば」を販売していました。お土産に山梨県や静岡県のご当地銘菓、ワインや地酒もここで購入できます。
今日は店頭で販売されている「とうもろこしソフトクリーム」(360円)を購入。お店の方が「塩をかけてもおいしい」と教えてくれました。
▼富岳風穴
住所:山梨県南都留郡富士河口湖町西湖青木ヶ原2068-1
URL: https://www.mtfuji-cave.com/
「鳴沢氷穴」内の通路はとても険しい
次は「鳴沢氷穴」へ向かいます。「富岳風穴」と「鳴沢氷穴」の距離は1キロほど。クルマなら5分とかからずに移動できます。
横に広がる「富岳風穴」と比べ、「鳴沢氷穴」は深く潜る竪穴式洞窟。その珍しい作りから、1929年に天然記念物の指定を受けています。
見学可能な最深部は入口から21メートルも地下にあり、100段ほどの階段を上り下りします。天井までの高さが1メートルに満たない通路が何カ所もあり、最長で5メートルも続きます。屈んで歩くことができない事情がある人や心臓の弱い人、幼児を抱いている人やおぶっている人は、入ることができません。
また「富岳風穴」ではヘルメットの着用は任意でしたが、「鳴沢氷穴」では着用が義務付けられています。
見学できる最深部に到着すると、「地獄穴」と呼ばれる、より深い地下へと続く竪穴を見ることができます。この竪穴の地下にある水脈は、はるか神奈川県にある江ノ島の洞窟まで通じているという言い伝えがあるそうです。
「地獄穴」の周辺には切り出された氷が積まれ、「氷の壁」と呼ばれています。「鳴沢氷穴」内で採れる天然氷の活用は江戸時代より始まり、大正時代になると一般販売も行われました。「鳴沢氷穴」の「氷穴」は、氷を産出するところから名付けられたとされています。
「氷の壁」を過ぎると、「鳴沢氷穴」代名詞である氷柱がお目見えです。
氷柱は4月に最盛期を迎えます。その後、気温の上昇と共にゆっくりと溶け、11月に一番小さくなります。12月より再び地下水の凍結がはじまり、氷柱も太く、大きく育ちます。
「鳴沢氷穴」は内部が環状となっているため通路を引き返すのではなく、一周する形で階段を上り、出口に向かいます。「鳴沢氷穴」の総延長は153メートル。狭い通路や急な階段をゆっくりと進んでも、20分ほどで出てくることができます。
受付と同じ建物に併設された「鳴沢氷穴売店」でも、山梨県や静岡県のご当地銘菓やワイン、地酒を購入できます。フードコーナーでは「樹海ドッグ」や「鳴沢焼きうどん」、「信玄パフェ」といったご当地メニューを販売しています。
▼鳴沢氷穴
住所:山梨県南都留郡鳴沢村8533
URL:https://www.mtfuji-cave.com/contents/ice_cave/
富士五湖周辺でレイクビュードライブを楽しもう
「富岳風穴」と「鳴沢氷穴」の近くには、緑と湖の景色を楽しめる絶好のドライブスポット、富士五湖があります。運転を楽しみたい方は「西湖」、「本栖湖」に足を運んでみましょう。
富士五湖は「富岳風穴」や「鳴沢氷穴」と同様に、富士山北西山麓の大規模噴火が元となって誕生した「堰止め湖」です。2011年に「国の名勝」に指定され、2013年には「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の一部として、世界遺産に登録されました。
「西湖」の近くにあった食堂「本陣つかさ」へ立ち寄り、有名なご当地グルメの「ほうとう」と、地元産の山菜を使った天ぷら蕎麦を注文しました。
「富岳風穴」「鳴沢氷穴」でお土産を買い忘れた人は、河口湖ICに戻る途中、国道139号沿いにある「道の駅なるさわ」に立ち寄ってみましょう。
ここではご当地アイスや地域で採れた野菜や果物が買えます。今回は、「恵金もなか」と、いよいよシーズンの始まった桃を購入しました。
▼道の駅なるさわ
住所:山梨県南都留郡鳴沢村8532-63
URL: https://www.michi-no-eki.jp/stations/view/370
今回のドライブで使用したクルマ:ニッサン エクストレイル
今回、利用したクルマはミドルサイズSUVのニッサン エクストレイルです。荒れた道も楽々と走れる一方で、高速道路で誰もが快適に過せる居住性を持っています。小回りもきくため、町中でも困ることはありません。
「ニッサン エクストレイル」はミドル料金で、ベーシックプランの場合、24時間7,800円です。家族とレジャーに出かけたいときやお友達とアウトドアに行きたいときにおすすめです。
※「エクストレイル」の取扱いは終了いたしました。
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