カーシェアの保険とはどのようなものなのでしょうか。本記事では一般的な補償内容から、購入車・レンタカー保険との違いや、適用時の注意点などについて解説します。お悩み別のQ&Aもぜひ参考にしてみてください!
カーシェア利用時の保険ってどうなっているの?
カーシェアリング(以下、カーシェア)を利用する際の保険は、多くの場合、利用料金や月額費用に含まれています。そのため、利用者が別途で保険契約を結ぶ必要はありません。
保険の内容には、対人・対物賠償や自分自身への補償が含まれていますが、条件によっては補償が適用されないケースもあります。そのため、利用前に保険内容を十分に確認しておくことが重要です。
ここでは、カーシェアの保険の概要や他のカーサービスとの違いを解説します。
基本料金や月額費に含まれていることが一般的
カーシェアの保険は、一般的に基本料金や月額費用に含まれています。カーシェアのサービスに含まれる保険は、以下のとおりです。
保険の種類 | 内容 |
自賠責保険 | 自動車の運転で他人にケガをさせたり死亡 させたりして、運転手が賠償責任を負う場合 の保険。 自動車に乗る人は強制的に加入する。 |
任意保険 | 対人、対物への賠償や車両の損害賠償など、 自分で内容を組み合わせて任意に加入する 自動車保険。 自賠責保険とは異なり強制加入ではない。 |
自賠責保険は、事故が起きた際に被害者へ補償するための保険です。自動車損害賠償保障法の第5条に基づき、必ず加入しなければなりません。自賠責保険の補償金額は、次のとおりです。
- 死亡:30,000,000円
- ケガ:1,200,000円
- 後遺障害:750,000円〜40,000,000円(障害の等級による)
一方、任意保険とは車の事故に関するさまざまな損害に対する保険です。自賠責保険とは異なり任意で加入するため、複数の補償内容を組み合わせられます。主な補償には次のようなものがあります。
- 対人賠償
- 対物賠償
- 人身傷害、搭乗者傷害
- 車両保険
カーシェアでは、ほとんどの車両に自賠責保険と任意保険が付帯されています。そのため、利用者は保険料を含む料金を支払うだけで問題ありません。
また、カーシェアの料金には保険料だけでなく、ガソリン代なども含まれているため、月額料金と利用料金以外に追加費用がかかりません。このような点は、カーシェアの大きなメリットです。
購入車・レンタカー・カーリースとの違い
カーシェアは別途で保険に加入する必要がありません。また、レンタカーも同様に、任意保険への加入や追加の手続きは不要です。
一方、カーリースは任意保険がリース料に含まれている場合と、別途契約が必要なものがあります。別途契約が必要な場合、保険選びや保険料の支払いなどの手間がかかる上、リース料以外の費用が発生するため支出も増えます。
また、車を購入する際は任意保険を自分で選び、保険料は毎年全額自己負担しなければなりません。費用や手間を考慮するなら、カーシェアやレンタカーのほうがおトクに利用できる可能性があります。
よくある保険・補償内容
カーシェアの保険の補償内容を、三井のカーシェアーズを例にして見てみましょう。三井のカーシェアーズの保険内容は次のとおりです。
対人賠償 | 1名につき無制限(自賠責保険を含む) |
対物賠償 | 1事故につき無制限(免責0万円) |
人身傷害保険 | 1名につき6,000万円まで(無保険車障害特約 1名につき2億円) |
三井のカーシェアーズでは、人、物への賠償や自身、搭乗者のケガに対して補償が受けられます。対人賠償、対物賠償はともに無制限です。対人賠償は自賠責保険も含むため、自賠責保険の補償額を超える分については、任意保険からの補償となります。
また、人身傷害への補償は6,000万円までです。ただし、事故の被害に遭った際に相手が自動車保険に加入しておらず、満足な補償が受けられない場合に限り「無保険者傷害特約」が適用されます。無保険者傷害特約が適用された場合は、最大2億円まで補償を受けられます。
なお、三井のカーシェアーズでは突然の事故に備え、車両の損害についてはシェアカーの損害に対する修理費用等のサポート制度を用意しております。
カーシェアで任意保険を追加できる?
カーシェア利用時は、任意保険の追加はできません。カーシェアで使う車はすでに保険加入済みであり、別途追加契約する必要がないためです。また、カーシェアで利用する車のナンバーのひらがなは「わ」や「れ」といった貸渡用の車両であり、ちょい乗り保険のような短期保険も適用されません。
事故時の補償が不安な場合は、カーシェアサービス会社の追加サポートや特約の上乗せで対応しましょう。例えば、三井のカーシェアーズでは、「トラブルあんしんサポート」を利用すると、1回の予約あたり550円(税込)で事故やタイヤのパンクによる修理費用、および営業補償やその他の費用の一部が免除(※)されます。
※24時間以内の予約時。以降は別途料金がかかります。
カーシェアで保険利用時の注意点
カーシェアを利用する際は、保険が適用されない場合があることに注意が必要です。例えば、交通ルールの違反や事故報告が行われない場合は、保険が適用されず、自己負担で賠償を行わなければならないこともあります。
また、カーシェアにはNOC(ノンオペレーションチャージ)と呼ばれる営業補償も存在します。保険が適用されないトラブルが発生した場合、カーシェア会社に補償のための手数料を支払わなければなりません。
カーシェアの保険利用時の注意点を2つ解説します。
保険が適用されないケース
カーシェアでは、保険が適用されないケースが存在します。例えば、規約や道路交通法の違反、わざと事故を起こすといった悪質な行為があったときは保険が適用されません。
保険が適用されない場合、事故時の賠償や自身および同乗者の治療・通院費などをすべて実費で負担することになります。結果として、大きな経済的負担がかかる可能性があります。危険運転や虚偽の報告は絶対に避け、ルールを守って安全に利用することが重要です。
保険が適用されない主なケースは、次のとおりです。
- 無免許運転や酒気帯び、酒酔いなどの法令違反
- 煽り運転や蛇行、不要な急発進、急停車といった危険運転
- わざと追突するなど故意な過失
- 事故を起こしたことを報告しなかったり遅らせたりした場合
- 事故の報告が虚偽だった場合
- 登録した人でない人が運転していた場合
- 警察へ届出しなかった場合
- ロードレースやサーキットレースなどの競技、曲技のために使っていた場合(練習も含む)
このほかにも、保険が適用されないケースが存在します。カーシェアサービス会社の規約を、事前によく確認しておきましょう。
営業補償(ノン・オペレーションチャージ)に注意
カーシェアでは、営業補償(ノンオペレーションチャージ)による費用に注意しましょう。営業補償とは営業補償のことで、車両にトラブルが発生した場合に、利用者がカーシェア会社へ支払う費用を指します。営業補償の対象となるのは、車両の破損や鍵の紛失、バッテリーあがりなどのトラブルです。
カーシェアは自己所有の車とは異なり、同じ車両を他の利用者も使用します。そのため、車両が破損したり汚損したりすると、カーシェア会社の営業に支障をきたします。営業補償の支払いは修理費全額を負担する場合に比べれば少額ですが、車両を丁寧に扱うことで、このような余分な出費を防ぐことができます。
営業補償の対象となる主な車両トラブルは次のとおりです。
- 追突などの車両事故
- 返却後の車内への忘れ物回収
- クリーニングが必要なレベルのシートや内装の汚損
- 鍵の紛失や破損、インロックなど
- 車両の放置
- バッテリーあがり
- ガソリンの未給油や異なる種類のガソリンの混在
- 内装の破損や変形
- タイヤの破損
- 窓の閉め忘れ
- ライトの消し忘れ
- 返却場所の間違いなどによる再停車
- 駐車違反
※三井のカーシェアーズだけではなく、他社の規約も含みます。
このほかにも対象となるケースが存在するため、カーシェアサービスの規約をよく読んでおきましょう。
こんなときはどうなるの?カーシェア保険のQ&A
カーシェアの保険は自分で決められるものではないため、補償内容をあらかじめ十分理解しておくのが大切です。特に、家族や友人など自分以外が運転する場合は保険が適用されない可能性もあるため、よくチェックしておきましょう。
カーシェアの補償や事故発生時の対応に関するよくある質問について、詳しく回答していきます。
家族や友人が運転する際の補償は?
家族や友人がカーシェアの車を運転する場合は、あらかじめ運転者登録を行いましょう。
カーシェアでは、登録された運転者以外が運転した場合、事故が発生しても保険が適用されなかったり、カーシェアの会員資格が取り消されたりする可能性があります。したがって他の人が運転する場合には必ず事前に運転者として登録しておくことが大切です。
例えば、三井のカーシェアーズでは会員同士であれば、会員ページの予約画面で手続き後、同乗者と運転を交代できます。また、家族の場合は同じ会員IDに運転者を追加登録することで、運転の交代が可能です。(ただし予約者の同乗が必須)登録は会員ページから行い、承認までには2〜3日程度かかります。
運転者登録がある人が運転している際に事故に遭った場合は、会員本人と同じように保険が適用されます。
個人間カーシェアリングの場合は?
車を借りたい人と貸したい人とがマッチングするプラットフォームを利用してカーシェアを行う際は、プラットフォームを運営する会社がカーシェアの車両用保険を用意してくれているケースが多いです。
また、友人の車を借りたり、自分の車を友人に貸したりするケースもあるかもしれません。その場合、他車運転特約の追加や本人限定特約を外すなど、適切な保険の調整が必要です。補償が適用されないリスクを避けるため、事前に補償内容や範囲をしっかり確認しておきましょう。
事故が発生したときは?
万が一事故が発生した際は、相手方とのやり取りや警察への連絡など、通常の事故対応をおこなってください。
また、カーシェアサービスによっては専用のサポートセンターがあります。事故を起こしてしまって不安な人は、まずサポートセンターに問い合わせて、適切な対応方法や今後の流れを確認するといいでしょう。
三井のカーシェアーズでは、次のように対応します。
▼故障発生時の対応手順
▼事故発生時の対応手順
どのようなトラブルでも、各所への連絡を忘れないように注意が必要です。警察や保険会社、サポートセンターへの連絡を怠ると、保険・補償制度の適用外とともに会員資格の取り消し対象となり、営業補償とは別に修理費用の実費が請求されます。
また、事故現場で相手と直接示談交渉を行うのは避けましょう。事態がさらに悪化し、予期せぬトラブルに発展することがあります。示談交渉は保険会社に任せるのが適切です。
「三井のカーシェアーズ」の手厚いサポート
三井のカーシェアーズでは、初めてカーシェアを使う人はもちろん、頻繁に利用する人に対しても手厚いサポートをご用意。優れた補償内容を持つ自動車保険に加え、安心して車を利用できる各種サポートサービスをご提供しております。
さらに、24時間稼働しているサポートダイヤルにより、さまざまなトラブルにも対応が可能です。
保険内容
三井のカーシェアーズでは充実した保険をご用意しているため、事故時の費用負担について心配する必要はありません。三井のカーシェアーズの保険内容は以下のとおりです。
三井のカーシェアーズでは、対人・対物の補償がいずれも無制限となっており、事故の規模に関わらず、相手方への賠償は全額補償されます。特に対人補償については、自賠責保険も適用されるため、相手に十分な補償が提供されます。
また、人身傷害保険は最大6,000万円まで補償され、特約が適用されると最大2億円までカバーされます。これにより、ケガの治療や通院費用にも保険金が使えるため、安心して医療を受けることができます。
ただし、保険補償が適用されないケース(会員にてご負担)もございます。詳しくこちらをご確認ください。
さらに安心を追加「トラブル安心サポート」
三井のカーシェアーズでは、追加のサポートサービスを活用すればより安全、安心に車をご利用できます。「トラブルあんしんサポート」では、予約時に追加費用を支払えば、営業補償(ノン・オペレーションチャージ=NOC)の費用が免除されます。費用と負担免除される項目は、次のとおりです。
※タイヤのパンク・損傷時に発生した金額については、一旦会員さまに立替払いいただきます
※三井のカーシェアーズの会員である間に事故を2回以上起こされた場合は、営業補償は免除となりますが、修理費用、もしくは車両リース解約金相当額は、シェアカーの損害に対する修理費用などのサポート制度が適用されないケースに従い、会員にご負担いただく場合があります
また、トラブルあんしんサポートの加入料金は以下のとおりです。
※加入料金は利用時間ではなく、予約時間に基づき計算されます
※72時間を超えた予約も、24時間ごとに550円加算されます
最安550円の追加費用で最大50,000円の支出が免除となります。事故やトラブル時の失費を最小限に抑え、安心して車を利用されたい方は、本オプションへの加入を検討することをおすすめいたします。
24時間の受付対応
三井のカーシェアーズでは、24時間体制のサポートダイヤルを設置しており、専任スタッフが常駐しています。そのため、深夜や早朝、年末年始なども事故やトラブルの対応をいたします。
特に、事故を起こした直後はパニックで正常な判断ができない場合もあるでしょう。専任スタッフによる的確なサポートをいたしますのでご安心ください。
いかがだったでしょうか? 三井のカーシェアーズでは、基本料金内で対人・対物・人身傷害の3つの補償に加え、さらにオプションで加入できる「トラブルあんしんサポート」もご用意。いざという時に備えておきたい方も大満足な三井のカーシェアーズを、ぜひご利用ください! |
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