いくら安全運転に気をつけていても、特にクルマに乗り慣れない人は“うっかり違反”をしてしまいがち。うっかりでも違反は違反。そこで、見落としがちな標識や誤解されやすい信号などをまとめてみました。
右折など矢印の信号
赤信号に直進可を示す「↑」の矢印や左折可を示す「←」の矢印のみが出ているとき、右折するクルマはどこで停まっていればいいでしょうか?
正解は信号の「停止線の手前」です。
右折可を表す「→」の矢印が出ていないときは、信号は赤なので交差点内に進入してはいけません。矢印は「その方向にしか進んではいけないこと」を表しています。ときおり「→」が出ていないときに、交差点内の補助線まで進んで停まっているクルマを見かけますが、これは信号無視となります。
もちろん、左折可を表す「←」の矢印の信号がある時も、矢印が表示されるまでは停止線で待ちます。こちらも時間差で表示される信号があり、見落としがちなので注意しましょう。
青地に白い矢印の標識
写真の矢印標識は、「その方向にしか進んではいけないこと」を表す「指定方向外進行禁止」の標識です。たとえ、左右に道があっても、直進の矢印「↑」のみの標識がある場所では、曲がってはいけません。
場所によっては、標識の下に時間指定がついている場合もあります。時間指定表示もよく確認してください。わからない場合は、無理に曲がろうとしないようにしましょう。
狭い場所での駐車は「無余地駐車違反」になる
「クルマの通りも少ない細い道だし、ちょっとだけなら停めても大丈夫かな?」 こんな風に思って路地にクルマを停めてしまう人がいます。しかし、道幅の狭い場所にクルマを止めると、駐車禁止や駐停車禁止の表示がなくても、駐車違反になってしまいます。それはなぜでしょうか?
正解は、「無余地駐車違反」に当たるからです。
具体的には、クルマを左に寄せて駐車したとき、右側に3.5m以上の余裕(余地)がなくては違反となります。「クルマ1台通れるから大丈夫」と思っても、実は違反となるのです。
他に気をつけたい主な駐車禁止の場所としては以下のようなものがあります。
- 交差点とその端から5m以内の場所
- 道路の曲がり角から5m以内の場所
- 横断歩道、自転車横断とその端から前後に5m以内の場所
- 駐車場、車庫などの自動車専用の出入り口から3m以内の場所
- 道路工事の区域の端から5m以内の場所
速度標識のない場所での最高速度
多くの道路で、「40」や「30」といった速度表示や速度標識がありますが、まれに表示のない道路があります。その場合、一般道では60km/h、高速道路は100km/hが制限速度です。広い道では、ついついスピードが出てしまいがち。速度管理は、十分に意識しておきたいところです。
ちなみに、最近では「ゾーン30」を整備するエリアが増えてきました。「ゾーン30」とは、生活道路の制限速度を30km/hに規制し、歩行者や自転車の安全を確保することを目的とされたゾーン(区域)のこと。「ゾーン30」の表示を見たら、そこは歩行者などが多い場所ですから、よく注意してスピードを落として走行しましょう。
カーナビの音声案内「斜め左方向」「手前左方向」
交通違反ではありませんが、カーナビの音声案内もうっかり間違えて解釈してしまい、迷ってしまうことがあります。例えば、左折をするとき「左方向です」の他に、「斜め左方向です」「手前左方向です」と案内されることがあります。それぞれこんな違いと注意点があるので、覚えておくといいでしょう。
斜め左方向です
直角(90度)に曲がる場合は、「左方向です」と案内されますが、直角よりも緩やかに曲がるときは「斜め左方向です」と言われます。中には、カーブのような場所やほとんど直進のようなところでも、「斜め左方向です」と案内される場合もあります。
手前左方向です
では、「左手前方向です」と案内されるのは、どういう曲がり方になるでしょうか?
正解は、 直角よりも大きく曲がる(鋭角)です。
なお、転回路を使ってUターンをする場合は、「Uターンです」と案内されます。
カーナビの曲がる方向は以下を覚えておくとよいでしょう。
高速道路でインターを通り過ぎたら
高速道路で案内を間違えてうっかり降りるべきインターを通り過ぎてしまった場合は、どうすればよいでしょうか?
正解は、次のインターの料金所で「一般レーン」に入り、係員にその旨を伝える、です。
そうすると係員によって「特別転回」の処理が行われ、その場でUターン、もしくは一度降りてUターンをするよう指示されます。勝手にUターンをしたり逆走をしたりするのは、絶対にやってはいけません。特別転回の場合の料金は、入ったICから本来の目的のICまでとなります(ICによってはUターンができないので、特別転回ができないこともあります)。
また、間違えて有料道路に入ってしまった場合でも、係員に相談すれば対処してくれます。係員がいない場合は、料金所の通行券を受け取る機械のインターホンを使って連絡してください。こちらも無理なUターンや逆走、バックはしないでください。
まとめ:交通ルールを正しく理解して安全運転を
ドライバーにとっては“うっかり”でも、それは交通違反になります。交通違反になるということは、大きな事故になる危険性をはらんでいるということ。今回、取り上げたポイントを始めとした“うっかり”がないように意識して、安全運転でドライブを楽しんでくださいね。
その他、高速道路の運転や東京都内の運転のコツなど役立つ情報は「ドライブの知識」をご覧ください。