きのこは秋が旬というイメージがありますが、実は一年を通して色々な種類のきのこが旬をむかえます。千葉県佐倉市の「佐倉きのこ園」では通年、温室でのしいたけ狩りや、季節にあわせた旬のきのこ狩りを楽しめます。収穫したばかりのきのこを、園内に設けられたバーベキューガーデンで食べることもできます。
「佐倉きのこ園」は都心から1時間ほど。トヨタ「ハリアー」で快適に移動
都内から「佐倉きのこ園」へ行くには、首都高速湾岸線、あるいは首都高速7号小松川線を経由し、東関東自動車道を成田方面へと向かいます。佐倉インターチェンジを降りてすぐのところにあるので、都心から1時間ほどで到着します。
今回、利用したクルマは「リパーク中葛西3丁目第3」ステーションにある、トヨタのクロスオーバーSUV「ハリアー」です。広々とした車内スペースにたくさんの荷物を載せられます。走行中の振動が少ないので、乗車している間も快適に過ごすことができます。
ステーション出発後、葛西インターチェンジから首都高速湾岸線に乗り、景色を楽しみながら移動しました。
千葉県「佐倉きのこ園」でしいたけ狩り
「佐倉きのこ園」の入園料は無料。狩ったきのこの品種と重さによって料金を支払います。この日は温室でのしいたけ狩りと、これから春に向けて最盛期を迎えるアワビタケ狩り、冬季限定の極厚しいたけ狩りが開催されていました。
今日は特別に園長の齋藤勇人さんに、しいたけの選び方と、おいしい焼き方のコツを教えていただきました。実はもともとしいたけが苦手だったという齋藤さん。でもあるときに食べた、水と空気と温度にこだわって栽培されたしいたけのおいしさに感動し、このしいたけのおいしさをもっと世に広めるべく、「佐倉きのこ園」を開園したのだそうです。
しいたけなどのきのこは「栽培ハウス」で栽培されています。森の中をイメージしたというハウスの中は、きのこの育成に適したな明るさと湿度が保たれています。殺虫剤や防腐剤、成長促進剤を一切使用していないので、採れたてのきのこは洗わずに調理することができます。
売店で受付を済ませたら、「栽培ハウス」でしいたけ狩りを楽しみましょう。
品種や種類により多少の差はありますが、きのこの80%は水分です。おいしいきのこを作るには、おいしい水でなければならないと、「佐倉きのこ園」では水道水や雨水は使用せず、地下50メートルからくみ上げた良質な地下水だけできのこを栽培しています。
きのこを狩るときは、必ず柄の根元から狩ります。柄が中途半端に残っていると、苗床となる「ホダ」が傷み、再生できなくなってしまうためです。柄が残っているきのこが多いと、料金が上乗せされるというペナルティも課せられます。丁寧に狩っていきましょう。
それぞれのきのこは100グラム単位で値段が設定されており、精算は5グラムきざみで計算されます。狩ったきのこは必ず購入しなければなりません。「栽培ハウス」にはハカリが用意されているので、予算を考えて、重さを量りながらきのこ狩りをしましょう。
ここで齋藤さんから、アドバイスがありました。
「しいたけの大きさそのものは、味に影響しません。ただ、調理方法に適した大きさがあって、焼いて食べるなら大きい方、煮物にして食べるなら小さい方がおすすめです。」
バーベキューにピッタリの大きいしいたけは人気で、早い時間に狩られてなくなってしまうことも。大きいしいたけを食べたい人は、午前中に訪れるといいでしょう。
バーベキューでしいたけを食べよう
売店の受付で計量して購入したきのこは、園内の「バーベキューガーデン」で食べることができます。
「バーベキューガーデン」や炭火コンロの使用料、席料は、きのこの料金とは別にかかります。持ち込み料が必要ですが、「佐倉きのこ園」内で購入したものの他に食材や飲み物を持ち込むこともできます。
ガーデン使用料(3時間まで)
大人 600円
子供(2歳~小学生) 300円
※調理器具、調味料はセルフサービスで無料貸し出し
炭火焼きコンロ使用料
1台(6~7人用) 1200円
追加炭 300円
※炭1回分、着火剤、バーベキュー用網付き
席料
1卓(6人用) 500円
※屋根付きテント席
食材・飲み物持ち込み料
大人 600円
子供(2歳~小学生) 300円
※食材のみを持ち込む場合も同じ料金です。
飲み物のみの持ち込み料
大人 300円
子供(2歳~小学生) 200円
持ち込みゴミ引取量
燃やせるゴミ(45リットル1袋まで) 500円
ビン(45リットル1袋まで) 500円
カン(45リットル1袋まで) 500円
※園内で購入した食材・飲み物から出たゴミは無料で引き取っていただけます。
持ち込み料は、持ち込んだ食材や飲み物の数にかかるのではなく、入場者の人数にかかります。食材を一つだけ持ち込んでも、入場者全員の人数分の持ち込み料が必要なので注意しましょう。人数分を支払えば、持ち込む量の制限はありません。
炭火焼きコンロの設置から着火作業までは、スタッフの方にお願いできます。炭火の勢いを強くしたい時はセルフサービスのうちわを借り、あおいで強くします。
前述したように、栽培ハウスで育てられたきのこは水洗いする必要はありません。しいたけの場合は、かさの部分と石づきと呼ばれる柄を包丁で切り分けます。柄も美味しく食べられる部位です。柄の根元から切って半分に切る、あるいは手で裂いて、火が通りやすい状態にします。
炭に十分、火が回ったら焼き始めます。まだ炭から炎が上がっているようなら、炎が収まるまで待ちましょう。上の写真のように、しいたけのかさを裏返した状態で網にのせ、炭火でじっくりと焼きます。
炭火の強さにもよりますが、10分から15分ほど焼くと胞子がはじけていい香りを放ち、ひだにじんわり水滴がにじみ出てきます。裏返さないようにそっと持ち上げて、表側を見て黒く焼けていたら炭火が強すぎます。火力の弱い場所へと移動させましょう。
水滴がしっかり出てきたら塩を振っていただきます。水滴にはうま味成分が凝縮されています。こぼさないよう注意し、口に運びましょう。
水滴がしっかり出てきたら食べ頃です。うま味成分が凝縮された水滴をこぼさないよう注意しながら口に運ぶと、しっかりとした歯ごたえにしっとりとした舌触り、口の中いっぱいにうま味と香りが広がります。
焼いた柄も噛めば噛むほど味がでてきて、飲み込むのがもったいない、いつまでも噛んでいたくなる逸品でした。
今回食べ比べたのは冬季限定の極厚しいたけと、通常のしいたけ。極厚しいたけは噛みごたえがあり、噛むたびにあふれるうま味成分を楽しめました。通常のしいたけは厚すぎず、子どもでも食べやすい大きさ。極厚しいたけに比べると、風味がひかえめなので、煮物など、他の食材とバランスを取りたい料理に向いていました。
売店で販売している「無添加・椎茸ソーセージ」も一緒に焼きました。このソーセージは養豚場を運営し、自社製造のハムやソーセージを販売する「サンライズファーム」に、齋藤さんが「しいたけと合うソーセージを作って欲しい」と依頼して作ってもらったオリジナル商品だそう。
特別に配合された肉のあぶらと、しいたけのうま味と風味が互いの長所を引き立てあい、さわやかだけどしっかりとした味が特徴です。つい2本目、3本目と食べたくなるおいしさでした。
他にも売店では、厳選された地元産の野菜や炭火焼きに向いたおすすめの食材を購入できます。バーベキューの途中できのこがなくなってしまったときは、再びきのこを狩りに行くこともできます。
バーベキューを終えてお腹がいっぱいになったら、きちんと後片付けをしましょう。使用したまな板や包丁、ザルはガーデンの近くにある流し場で洗ってから返却します。コンロと炭、網はそのままで大丈夫です。
持ち込みで出たゴミを引き取ってもらう場合は有料です。なるべく持ち帰るようにしましょう。
しいたけはお持ち帰りも可能
狩ったしいたけなどのきのこは、おみやげとして持ち帰ることもできます。
しいたけに限らず、きのこ類は熱に弱く、特に夏場の車内では、わずかな時間でも熟して味が落ちてしまうおそれがあります。きのこや「無添加・椎茸ソーセージ」を持ち帰りたい人は、クーラーボックスと保冷剤を持参しましょう。
持ち帰るきのこは鮮度保持袋(ビニールの袋)に入れてくれます。袋に入れたまま冷蔵庫に保存することで、1週間はおいしく食べられます。持ち帰ったきのこを一度に全部食べきれなかったときは、鮮度保持袋に戻し、空気が入らないように封を再度締めて保存します。
▼有限会社「佐倉きのこ園」
住所:千葉県佐倉市太田2395番地
電話:043-486-3987
URL:https://www.kinokoen.jp/
駐車場:無料(30台)
開園時間:8時~16時
定休日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)
しいたけのおいしさを再発見
「佐倉きのこ園」で食べた新鮮なしいたけは、これまでに食べたことのあるしいたけとは比べ物にならないほどおいしいものでした。
家族や気の置けない友人たちとバーベキューをしながらおいしいしいたけを食べれば、とても楽しい時間を過ごすことができますよ。