少し前までのクルマは、「エンジンをかける=キーを差し込んで回す」でしたが、2020年代の今、多くのクルマは「エンジンをかける=スタートボタンを押す」になりました。電気自動車の一部などスタートボタンがないクルマも登場し、初めて乗るときにとまどってしまうことも……。
ガソリン車のみならず、ハイブリッド車や電気自動車など、さまざまなタイプのクルマが存在する今は、操作方法や扱い方も多様化しています。そこで今回は「今どきのクルマの操作方法」をまとめてみました。
<目次>
・ドアロックの解錠と施錠
・エンジンやシステムのスタートと停止
・シフトレバーの操作
・パーキングブレーキの操作
・安全装備と運転支援機能
・後方確認の強い味方バックモニター
・使い勝手のいい便利装備
・出発前に車種別マニュアルをチェック!
ドアロックの解錠と施錠
かつてドアロックの解錠と施錠は、ドアのキーシリンダーにキーを差し込み、回して行いました。それが、リモコンのボタンを押して解錠/施錠を行うキーレスエントリーになり、現在ではボタンを押さなくても解錠/施錠ができるスマートキーが主流になってきています。
スマートキーをカバンやポケットなどに入れて身に着けて、ドアノブの特定の場所に触れる、あるいはドアノブにあるドアロックボタンで解錠/施錠を行います。
スマートキーはポケットやカバンの中に入れたままでも使用できます。車種によってはサイズがコンパクトなので、クルマを下りた先で紛失しないよう注意しましょう。
エンジンやシステムのスタートと停止
冒頭でも記したように、エンジンのかけかたには、いくつかの操作方法があります。
キーレスエントリー車の場合、ハンドルの右側にあるキーシリンダーにキー(メカニカルキー)を差し込み、ブレーキを踏んだままキーを回して(右回転)スタートを行います。停止は、キーをスタートとは逆方向(左回転)に回して行います。
スマートキー車の場合、キーが車内にあれば、特定の位置に差し込んだり接触させたりする必要はなく、ブレーキを踏んだままエンジンスタートボタンを押してスタートを行います。停止もエンジンスタートボタンを押して行います。
エンジンスタートボタンは車種によって設置場所が異なります。ほとんどの場合、インストルメントパネルの右または左の目立つところにあり、ボタンは丸い形状をしています。ボタンには「ENGINE START STOP」や「START STOP」と記されています。
電気自動車はエンジンがなく、ハイブリッド車も必ずエンジンがスタートするわけではないので、単に「スタートボタン」と呼ぶのが一般的です。電気自動車やハイブリッド車のスタートボタンには、システムへの通電を意味する「POWER(パワー)」と記されています。
なお、キーレスエントリー車でもスマートキー車でも、シフトレバーがP(パーキング)に入っていなければ、エンジンスタートやシステムスタートは行われません。
近年、キーを身につけたままクルマに乗ると自動的にシステムが立ち上がり、そのまま走行が可能なクルマが登場しました。現在のところ該当する車種はカレコに登録されていません。
シフトレバーの操作
オートマチック車のシフトレバーの操作方法は、車種によって異なります。一般的なのはレバーを操作するもの。直線に前後の操作を行うタイプや、前後にくわえて左右の操作が必要なタイプがあります。
シフトポジションは多くの場合、一番奥にP(パーキング)があり、順にR(リバース)、N(ニュートラル)、D(ドライブ)、車種によってS(スポーツ)、一番手前にB(ブレーキ)やL(ロウ)、2(セカンド)などが設定されています。誤発進を防ぐため、Rには入れるためにはブレーキを踏みながら(ボタンがある場合はボタンも押しながら)操作しなくてはなりません。
<シフトポジションの意味>
P:駐停車するときに選ぶ
R:クルマを後退するときに選ぶ
N:エンジンやモーターを使わずにクルマを動かすときに選ぶ
D:走行するときに選ぶ
S:ギヤを低く設定し、キビキビとした走行を楽しみたいときに選ぶ
B/L/2:エンジンブレーキを使用したいときや、急勾配の上り坂でギヤを低くしたいときに選ぶ
また、BはCVT車やハイブリッド車、電気自動車に使用されるシフトポジションです。Bは、BACK(後退)ではありませんので、注意しましょう。
車種によってはスポーティな走行を楽しめるよう「マニュアルモード」や「シーケンシャルモード」が備わっています。多くの場合Dの右側にマニュアルモード用のゲートがあり、シフトレバーをゲートに入れることで使用できます。
マニュアルモードでは手動でギヤを一速ずつアップ、あるいはダウンすることができます。また、「GR86」など一部車種には、ハンドルを握ったままシフト操作ができるパドルシフトが装着されています。こちらは、パドルを手前に引くことで操作します。
ハイブリッド車や電気自動車などでは、電子式シフトレバーが採用されます。P、R、N、D…といったシフトポジションはおおむね同じですが、各ポジションの操作位置が違うので気をつけてください。また、操作後は必ずレバーが中央に戻ってくることも、一般的なシフトセレクターと違うところです。
シフトレバーには、ほかにもダイヤル式やボタン式、コラムシフト式などがあります。いずれの方式でもシフトポジションを把握し、ゆっくりと適切に操作することで思わぬ事故を防ぐことができます。
パーキングブレーキの操作
クルマを駐車した際に使用する、パーキングブレーキ。運転席の横に備わることが多いため、「サイドブレーキ」と呼ばれることもあります。
運転席の横やメーターパネル下に設置されたレバーで操作する、ハンドレバー式、足で踏み込んで操作するフットペダル式(足踏み式)もあり、また近年はスイッチで操作する電動式が増えてきました。
電気式の操作は、スイッチを押してブレーキ解除、引いてブレーキ作動。スイッチのランプが点灯していると、パーキングブレーキが作動していることを表しています。スイッチは、シフトレバーの周辺に設置されているのが一般的です。
また、電動式パーキングブレーキ車の多くには、「HOLD」と表記されたボタンが付いています。これは、ブレーキオートホールド機能といい、ONにしておくと信号や渋滞でクルマが止まったとき、ブレーキペダルから足を離してもブレーキを維持してくれる機能です。ストップアンドゴーの多い道路状況で、足の疲労を軽減してくれます。
安全装備と運転支援機能
エアバッグや衝突安全ボディといった「事故の被害を軽減する」安全装備にくわえ、現在のクルマはセンサーやカメラを利用した「事故を未然に防ぐ」安全装備が備わります。多くの安全装備は自動的に作動するので、特別な操作は必要ありません。
車種により装備される機能は異なりますが、走行中にドアミラーの内部や周辺のランプが点灯したら、後方から追い越し車が接近し、死角に入っている可能性があること、走行中にハンドルが振動したら、車線を逸脱した可能性があることを教えてくれているのだ、ということは、ふいに慌てないためにも覚えておきましょう。
センサーの進化により、運転を支援するクルーズコントロールも進化しました。かつてのクルーズコントロールは、設定した速度で走行を続ける機能でしたが、現在の「アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)」はセンサーが前走車を感知し、一定の距離を保つよう自動で速度を調整しながら走行を続けます。ACCは走行中に操作しやすいよう、ハンドルやその周辺にスイッチが備わります。
なお、ACCは対応する速度や機能が車種による異なり、また「レヴォーグ」に搭載されるアイサイトなど、一部車種には車線の中央を走り続けるようにハンドル操作をサポートしてくれるものもあるため、ACCを使う前には、そのクルマがどんな機能を持っているのかを確認しておきましょう。
後方確認の強い味方バックモニター
カレコの配備するすべてのクルマにはバックモニターが備わります。シフトレバーをRに入れると、自動的にクルマ後方の景色がカーナビのモニターに表示されます。車種によってはガイド線が表示され、ハンドルの動きに連動し、ガイド線が動くモデルもあります。
後方確認の強い味方となるバックモニターですが、映像はあくまで目安。カメラの写らない場所に歩行者がいるかもしれません。後退時には目視でしっかりと後方を確認し、安全を確保しましょう。
使い勝手のいい便利装備
たくさんの人数と多くの荷物を乗せられるミニバン。スライドドアは大きくて重く、手動で開け閉めを行うには力とコツが必要になります。とくに両手で荷物を抱えているときの乗車は困難で、同乗者に開けてもらう必要がありました。
現在、ほとんどのミニバンは電動スライドドアを装備。ドアノブに触れる、あるいは軽く引くことでドアロックの解錠や施錠と一緒に、スライドドアの開け閉めが行われます。
一部の車種ではハンズフリー機能を搭載しており、スライドドアのドアノブの下に足をかざすことでセンサーが反応し、スライドドアが開きます。
カレコのクルマに搭載するカーオーディオは、ほとんどがBluetoothに対応しており、持ち込んだスマホやミュージックプレーヤーとペアリングすることで、ミュージックを楽しむことができます。ペアリングの操作はカーナビのモニターで行えます。
Bluetoothとのペアリングについては下記の記事で、詳しく解説しています。こちらもチェックしてみてください。
>>>Bluetoothでスマホをカーナビに接続する方法!音楽やハンズフリー通話に
出発前に車種別マニュアルをチェック!
車種ラインアップの幅広さが便利で楽しいカレコ。それだけに、クルマの操作方法もさまざまで、操作に迷うことがあるかもしれません。そんなときは、ぜひこのページを思い出してみてください。また、カレコのクルマには車種別マニュアルが搭載されていますので、出発前にチェックしておくといいでしょう。
>>>教習所では習わない「運転上達のテクニック」で運転の達人になろう!
>>> 給油に洗車…「セルフ式ガソリンスタンド」の使い方をマスターしよう!
>>>スマートキーにパーキングブレーキ…知っておきたいクルマの「基本の操作」を紹介
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