ドライブの知識

「住宅街の運転」で気をつけるべきポイントと上手に走るテクニックまとめ

自宅まで荷物を運べたり友人知人を家まで送り届けたり、「ドア・トゥ・ドア」で移動できるのが、クルマの便利なところ。一方で、クルマを活用すればするほど住宅地を走る機会が増え、大通りや繁華街を走るのとは違った運転テクニックが求められます。

そこで今回は、住宅地を通る道路の特徴や、スムーズに走るためのポイントをまとめました。

<目次>
住宅街の道路の特徴
信号機のない交差点の通り方
道路標識や表示を見落とさないように
交差点でなくても、急な飛び出しに備える
歩行者や自転車は大きくよける
すれ違いは無理せず焦らず
一方通行や時間指定に注意
新たに実施された「ゾーン30」とは
歩行者や自転車の多い場所はどうする?
夜は歩行者が見づらい……
小回りの利くコンパクトなクルマが乗りやすい
「ゆっくり」「無理せず」を忘れずに

住宅街の道路の特徴

民家や集合住宅から幹線道路(一般道路)までの移動を目的とした道路を「生活道路」と呼びます。明確な定義はありませんが、国土交通省の公表する資料では「道幅が5.5m未満の道路」を生活道路と扱っています。

見通しよく整備された新しい住宅街の道路
見通しよく整備された新しい住宅街の道路

こうした生活道路は、基本的にその地域に用事のない人は通らないため、交通量が少なく歩行者や自転車も道路の中央を往来することがあるなど、幹線道路とは様相が大きく異なるものです。

また、生活道路は、幹線道路と比べて道幅がせまく、クルマがすれ違えないこともあります。幹線道路との交差点を除けば、信号もあまりありません。しかし近年、整備された住宅地はクルマが走ることを想定しており、生活道路周辺は事故のリスクを低減するため、見通しよく作られています。

古くからの住宅街は見通しが悪く入り組んだ道路も多い
古くからの住宅街は見通しが悪く入り組んだ道路も多い

一方で町並みの古い、いわゆる下町は民家が密集し、間を縫うように生活道路が敷かれており、見通しが悪い箇所が多いものです。特に大きなサイズのクルマで走行するときは、車両感覚と運転技術が求められます。

信号機のない交差点の通り方

生活道路での交通事故は、およそ半数が信号機のない(交通整理の行われていない)交差点で発生しています。信号機のない交差点は、交差点内に歩行者や自転車が飛び出してくることも多く、もっとも気を付けねばならない場所のひとつです。

こうした交差点への進入方法は道路交通法により定められています。要点は以下のとおり。

●自道路が優先道路だった場合

交差点にさしかかる前に「優先道路」の道路標識があったら、走行している道路が優先道路であることを表しています。徐行や一時停止をする必要はありませんが、歩行者や自転車には十分に注意して進入しましょう。

優先道路の標識
優先道路の標識

ただし、優先道路の標識がない場合も多く、現実的には「交差点で『止まれ』の表示や標識がないほうが優先道路」と考えておくといいでしょう。

●自道路が優先道路でなかった場合

交差点にさしかかる前、道路上に逆三角形の「前方優先道路」の表示があったら、交差する道路が優先道路であることを表しています。交差点には徐行して進入し、交差する道路を走行するクルマを妨げてはいけません。

「止まれ」の標識があったら必ず停止線の前で一時停止する
「止まれ」の標識があったら必ず停止線の前で一時停止する

交差点にさしかかる前に「一時停止(止まれ)」の標識があったら、交差点前で一時停止を行い、左右を確認した上で進入します。一時停止の標識は“見通しの悪い交差点”に設置されることも、あわせて覚えておきましょう。

優先道路や一時停止の標識がない交差点は原則、徐行して進入します。交差点は基本的に“左方優先”です。左側から進入してくるクルマがあったら一時停止し、走行を妨げないようにしましょう。

前方に十字路があることを示す警戒標識
前方に十字路があることを示す警戒標識

多くの場合、交差点の前には「前方に交差点がある」ことを知らせる、黄色い道路標識(警戒標識)が設置されます。この標識に描かれた図案から、前方の交差点が十字路か丁字路か、その形状を知ることができます。

道路標識や表示を見落とさないように

生活道路は注意すべき点が多く、常にあちこち視線を移動させながらの走行となります。そのため、道路標識を見落としがちです。道路標識は看板だけではなく、道路上にも描かれています。

道路標識の見落としは道交法違反だけでなく、いつの間にか一方通行を逆走してしまうなど、危険につながるもの。運転するときに、道路標識を見る癖をつけるよう意識しましょう。

前方に横断歩道または自転車横断帯があることを示すひし形の道路表示
前方に横断歩道または自転車横断帯があることを示すひし形の道路表示

また、標識を見落としがちだと自覚がある人は、スピードが速すぎるのかもしれません。余裕を持って周囲の確認ができるよう、スピードを落としてみてください。

交差点でなくても、急な飛び出しに備える

生活道路は民家や集合住宅の敷地と隣接しており、歩行者や自転車、クルマがひょっこりと出てくることが多々あります。

歩行者や自転車が出てくる“かもしれない”と考えて通行しよう
歩行者や自転車が出てくる“かもしれない”と考えて通行しよう

また、門でエントランスから出てきた歩行者や自転車、クルマを避けるため、走行中の自転車が急に蛇行することもあります。民家前や集合住宅の門の前を走行する際は、飛び出しを予測し、いつでも停車できるよう備えましょう。

歩行者や自転車は大きくよける

狭い生活道路では、歩行者や自転車を追い抜く際、対向車がいる場合はもちろん、カーブなど見通しの悪い場所では追い抜かず、安全な場所まで待ってから、ゆっくりと追い抜きます。

このような見通しの悪いカーブでは対向車が見えないので、追い越さずに待とう
このような見通しの悪いカーブでは対向車が見えないので、追い越さずに待とう

側端に寄ってもらうため、歩行者や自転車にホーン(クラクション)を鳴らすのは厳禁です。歩行者や自転車の脇を通過する際は、「怖い」と感じさせないよう減速し、大きく距離をとりましょう。

すれ違いは無理せず焦らず

前方に対向車が見えたら、歩行者や自転車に注意して側端により、ゆっくりとすれ違います。電柱や道路標識の設置されていない、少しでも広い場所ですれ違うようにすると安心です。

「難しい」「怖い」と感じたら、無理に進まず待つことも大切
「難しい」「怖い」と感じたら、無理に進まず待つことも大切

「道幅がせまいな」とか、「よせるのが怖いな」と感じたら無理に進まず、安全な側端によせて停車。先に対向車に通過してもらいましょう。

一方通行や時間指定に注意

民家が入り組んだ住宅地の生活道路では、クルマの対面通行が困難なため、「一方通行」や「指定方向外進入禁止」といった通行規制が実施されます。道路標識に気付かずに進入し、逆走してしまうのは大変、危険です。

一方通行や指定方向外進入禁止といった規制は、曜日や時間により解除されるケースがあります。その場合は「補助標識」により規制実施曜日や時間が掲示されます。道路標識だけでなく補助標識も見落とさないよう注意しましょう。

時間指定の補助標識は瞬時にわかりづらいので、日頃から見慣れるようにしておくと安心
時間指定の補助標識は瞬時にわかりづらいので、日頃から見慣れるようにしておくと安心

なお、カーナビにも一方通行や指定方向外進入禁止の情報は登録されており、情報を踏まえてルートを提示しています。しかし、新設道路や通行規制の変更が行われた道路の情報が、反映されていない場合があります。

道路標識を見落とさないよう、しっかりと標識を確認し、カーナビの指示と異なる場合は、現地の道路標識や案内に従いましょう。

<関連記事>
>>>駐停車禁止に時間指定……忘れがちな標識をおさらい

新たに実施された「ゾーン30」とは

生活道路を利用する歩行者や自転車の安全を確保するため、2011年より始まったのが「ゾーン30」です。国土交通省と警視庁の連携のもと、2020年末までに全国で4,031箇所(警視庁資料より)が整備されました。

「ゾーン30」の標識や表示を見かけたらスピードに注意
「ゾーン30」の標識や表示を見かけたらスピードに注意

ゾーン30は、幹線道路に囲まれた区域全体が対象となり、生活道路の制限速度を時速30kmに規制するもの。必要に応じて、速度の抑制や抜け道としての利用を抑制するデバイスが施されます。ゾーン30の入り口には、道路標識で区域がゾーン30であることや、時速30kmの制限速度区域であることが提示されます。

歩行者や自転車の多い場所はどうする?

生活道路に関わらず、クルマの運転者は歩行者や自転車の安全を最優先に行動しなければなりません。通学路などの歩行者や自転車の多い場所では、速度を抑えて走行。突然の右左折や蛇行を予測し、追い越しは大きく距離を空けて行います。

道路はあくまでも歩行者優先。強引に進もうとせず、おおらかな気持ちで安全第一で
道路はあくまでも歩行者優先。強引に進もうとせず、おおらかな気持ちで安全第一で

クルマの接近に気付いてもらうためホーン(クラクション)を鳴らすのは、道交法違反に該当します。絶対に行ってはいけません。歩行者や自転車が道路を横断しようとしていたら、横断歩道はもちろん、横断歩道がなくても一時停止をし、安全を確保することが義務付けられています。

夜は歩行者が見づらい……

生活道路は幹線道路ほど街灯が整備されていないため、日没から夜間は見通しが一層、悪くなります。特に夕方は、ドライバーが思っている以上に車外は暗くなっているものです。日の傾きを感じたら、すみやかにヘッドランプを点灯。歩行者や自転車に、早く気付いてもらいましょう。

「まだ明るい」と思っていても、クルマを降りてみると思っている以上に暗い
「まだ明るい」と思っていても、クルマを降りてみると思っている以上に暗い

夜間の運転で「ハイビームは、対向車や歩行者にまぶしい思いをさせるから」と常時、ロービームで走行する人もいますが、厳密にはこれは間違い。夜間の走行はハイビームが基本で、対向車や先行車、歩行者がいる場合、ロービームに切り替えて走行します。クルマと歩行者の夜間事故は、ほとんどの場合、クルマがロービームであるそうです。

ハイビームは、ロービーム点灯時にウインカーレバーを奥に倒すことで作動する
ハイビームは、ロービーム点灯時にウインカーレバーを奥に倒すことで作動する

物陰が増え、歩行者の発見が遅れる夜間は、なにより速度を抑えて走行することが大切です。暗がりに歩行者の姿がみえたら、余裕を持って避けられる速度で走行しましょう。

<関連記事>
>>>夜の運転を安全に!暗さだけじゃないナイトドライブのポイント

小回りの利くコンパクトなクルマが乗りやすい

特に古い町並みの住宅地は、道幅がせまい上に見通しの悪い曲がり角が多く、電柱も道路に設置されています。大きなクルマで走行する場合、曲がり角では内輪差を考慮し、車体をぶつけないよう走るための車両感覚や運転技術が求められます。

写真の「ヤリス」をはじめ、コンパクトカーや軽自動車は小回りも利き、運転しやすい
写真の「ヤリス」をはじめ、コンパクトカーや軽自動車は小回りも利き、運転しやすい

免許証を取得したばかりなど、まだ運転に慣れていない人は、運転席からの視界が良く、小回りが効き、車両感覚のつかみやすいコンパクトなクルマを利用すると、より安心して走行することができます。

<関連記事>
>>>小回り抜群! 街乗りならコンパクトカー

「ゆっくり」「無理せず」を忘れずに

住宅地では、周囲の状況から「この先、なにが起こるか」をあらかじめ想像する、予測運転が重要になってきます。たとえば、子どもが前でなく横を向いていたら、別の子ども(お友達)の存在や、「そっちに向かって走り出すかも」と、次の行動を予測し、備えることができます。

歩行者、特に子どもは予測のつかない動きをするのでよく注意する
歩行者、特に子どもは予測のつかない動きをするのでよく注意する

またスピードが出ていると、視野が狭くなってしまうもの。しっかりと周囲を確認できる速度で走行し、道路標識や障害物の先に見える人影、はみ出たクルマの先端部を見落とさないようにしましょう。

歩行者や自転車と対向車がいるとき、無理に追い抜く必要はありません。一時停車して対向車とすれ違ったのち、前方の安全を確認してから、ゆっくりと歩行者や自転車を追い抜きます。

理屈ではわかっていても、実際にハンドルを握ってみると難しいものです。とはいえ、実践なくして運転の感覚やテクニックは身につきません。すべてにおいて余裕のある運転を心がけ、できることから実践してみてください。

<関連記事>
>>>教習所では習わない「運転上達のテクニック」で運転の達人になろう!

>>>運転がうまい人のコツを真似して「運転スキルの上達」を図ろう!

>>>初見でも迷わない!「今どきのクルマ」の操作方法まとめ

>>>苦手克服!初心者のための駐車テクニック

<カレコについて>
>>>ご利用の流れ

>>>車種ラインアップ

<最新情報はカレコ公式SNSで>
FacebookTwitterInstagramLINE

記事内容は公開時のものです。変更になる場合があります。