都市部や雪のあまり降らない地域に住んでいると、「冬のドライブの注意点」と聞いても、「寒い地域に出かけなければ大丈夫」と、考えてしまいがち。でも、冬ならではの注意が必要なのは、都市部であっても変わりません。
凍結は、気温が0度以下で発生するからです。実は、フロントウインドウや路面の表面温度は気温よりも低くなるため、3度以下(高い場合は5度)でも凍結は発生します。つまり、日本の冬期は、ほとんどの地域で夜間から明け方にかけて、凍結のおそれがあるのです。
だから、冬期特有のアクシデントへの対応策を知っておくことは大切。今回は、都市部や温暖な地域に住んでいるドライバーに向けた、冬のドライブの注意点をお伝えします。
<目次>
・フロントウインドウやリアウインドウが凍りついていたら
・動き始めたクルマは起床したばかりの身体と一緒
・スタッドレスタイヤ装着車を利用する必要はある?
・フロントウインドウの内側が曇ってしまったら
・出先で駐車するときは日当たりのよい場所を選ぼう
・アクシデントを予測して落ち着いて安全に
フロントウインドウやリアウインドウが凍りついていたら
冷え込んだ朝。クルマのフロントウインドウやリアウインドウが凍結していた。乗り込んだものの、運転席からなにも見えない――。
いくら急用があっても、この状態で出発するのは大変危険です。ウインドウッシャーを利用することで、一時的に氷や霜を溶かすことはできますが、すぐに再凍結してしまいます。たまに、「お湯をかけて溶かす」という人もいますが、これはもっともやってはいけない行為。ガラスが割れてしまうおそれがあります。
フロントウインドウやリアウインドウが凍結していたときは、エンジンを始動し、デフロスター(デフォッガー)のスイッチを入れましょう。最優先でフロントウインドウやリアウインドウを暖めて、氷や霜を溶かします。
リアウインドウのデフロスターは電熱式ですが、フロントウインドウのデフロスターが有効に働くには、エンジンが暖まっている必要があります。寒さにもよりますが、温風が出るようになるまで5分ほどかかるので、冷え込んだ日は時間に余裕をもって、クルマに乗りましょう。
動き始めたクルマは起床したばかりの身体と一緒
かつて、クルマはエンジンを始動したのち、エンジンの回転が安定するまで暖機する(エンジンをかけたまま出発しない)ことが必要とされていました。しかし、技術の進歩により、現代のクルマはエンジンを始動してすぐに出発しても、故障に直結することはありません。
とはいえ、始動直後の冷えたエンジンは、本来の性能を発揮できない状態です。高回転での空ぶかしや急な加速を行うと、大きな負担をかけてしまいます。トランスミッションやサスペンション、ブレーキも、冷えている状態では性能を発揮することができません。これはモーター駆動のハイブリッド車や電気自動車であっても同様です。エンジンやトランスミッションなどが暖まってくるまでは、クルマをいたわるように「急」のつく操作を避けた運転を行いましょう。
エンジンをはじめクルマの各部が暖まったかどうかは、デフロスターが効き始める、もしくは水温計・水温ランプで知ることができます。水温計の針がゲージの中央付近を示す、あるいは青色の水温ランプが消えたら、十分に暖まった合図です。水温計や水温計ランプのない電気自動車も、10分くらいは穏やかな運転を行うといいでしょう。
スタッドレスタイヤ装着車を利用する必要はある?
凍結した路面や雪道を走行するなら、欠かすことのできないスタッドレスタイヤ。カレコでも冬期に限り、スタッドレスタイヤ装着車をステーションに配備しています。では、都市部を走るときにスタッドレスタイヤ装着車を選ぶべきでしょうか?
行き先までの道のりも含めて降雪の予報がなく、氷点下にならない日中のドライブであれば、スタッドレスタイヤ装着車を選ぶ必要はありません。ただし、雨や雪が降ってから数日は、日かげの水たまりが凍っていたり、踏み固められた雪が残って凍結路になっている場合があります。見通しの悪い交差点やカーブ、あるいは日差しのない道路を走行する際は凍結を想定し、十分に速度を落としてから進入するようにしてください。
「冷えると固くなる」というゴムの特性上、夏タイヤ(ラジアルタイヤ)は気温が5度を下回ると性能が落ち始めるのに対し、スタッドレスタイヤは低い気温でも性能が落ちにくいよう作られています。行き先に降雪がなくても、主な移動時間が夜間であったり、一日を通して気温が低い地域を走行する場合は、安全のためにスタッドレスタイヤ装着車を選んでおくことをオススメします。
ちなみに、スタッドレスタイヤは凍結には強いものの、雨で濡れた路面には弱い(グリップ力が低下する)ので注意が必要です。スタッドレスタイヤ装着車を利用しているときは、夏タイヤ装着車のとき以上に丁寧な運転を心がけましょう。
フロントウインドウの内側が曇ってしまったら
雨の日、車内に濡れた傘を持ち込んだときや服が濡れているとき、あるいは多くの人が乗ったときなど、フロントウインドウをはじめ四方のウインドウが曇り、ドライバーの視界を妨げることがあります。
ウインドウの曇りは車内と車外の気温差が大きく、くわえて車内の湿度が高いと発生します。かつてはタオルを持ち込み、フロントウインドウの内側を拭きながら運転したものですが、現在のクルマは高い性能を持ったエアコンを装備しています。
暖房にヒーターを使用しているのなら、ACスイッチをオンにしてエアコンを作動させることで除湿が行われ、ウインドウの曇りが除去されます。このとき、エアコンを「外気導入モード」にすると除湿の効果が強くなり、より早くウインドウの曇りを除去できます。
エアコンを使用していても、状況によっては除湿が追いつかず、ウインドウが曇ってしまう場合もあります。そんなときはデフロスターを使用し、エアコンの風をじかにフロントウインドウにあてて曇りを取りましょう。フロントウインドウの曇りが取れたらデフロスターをオフにしますが、まだ車内の湿度は高い状態にあります。しばらくの間、エアコンを「外気導入モード」にし、除湿の効果を強くしておきましょう。
出先で駐車するときは日当たりのよい場所を選ぼう
お出かけ先の気温が低い場合や、一晩、駐車するような場合は、なるべく日当たりのいいスペースにクルマを止めると、車内の温度低下を抑えられるだけでなく、ウインドウの凍結も防いでくれます。
夜中、駐車するならば、フロントウインドウを東や南に向けて駐車するのもいい方法です。翌朝、早くから太陽の光を浴びさせることができ、より早くウインドウの凍結を溶かしてくれます。
アクシデントを予測して落ち着いて安全に
気温が0度以下にならない、あるいは降雪がなくても、冬期特有のアクシデントは起こります。けれどもアクシデントを予測し、落ち着いて対処することで取り返しの付かない事態への発展を防げるものです。冬のお出かけは「都心だから大丈夫」と思わず、いつも以上に安全な運転を心がけましょう。
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