カーシェアリングの三井のカーシェアーズ公式ブログ首都高 – カーシェアリングの三井のカーシェアーズ公式ブログ https://blog.carshares.jp/ カーシェアリングの三井のカーシェアーズ公式ブログ Wed, 20 Nov 2024 19:00:00 +0000 ja hourly 1 クイズで覚える間違いやすい交通ルール ~高速道路編~ https://blog.carshares.jp/23935/ https://blog.carshares.jp/23935/#respond Wed, 20 Nov 2024 19:00:00 +0000 https://blog.carshares.jp/?p=23935 教習所で習ったものの、何かと忘れがちな交通ルール。「この標識なんだっけ?」「こんなときどうしたら……」と、あいまいなまま運転するのは、避けたいものです。特に、速度の高い高速走行では、ちょっとしたことが大きな事故につながることも……。

事故を起こさないことはもちろん、交通の流れを乱すことのないよう、交通ルールは正しく覚えておくべき。そこで今回は、おさらいしておきたい高速道路の交通ルールを「◯×クイズ」にしました。ぜひ、挑戦してください。

<目次>
問題(1) スマートICとは、ETC専用インターチェンジのことである
問題(2) ETCを利用すれば、どのICからも2時間以内の一時退出ができる
問題(3) 速い速度が怖いから、空いているけど40km/hで走った
問題(4) 「キープレフト」は法律で定められている
問題(5) 左に登坂車線が出てきたので車線変更し、80km/hのまま走行した
問題(6) 追い越しのときは制限速度を超えてもいい
問題(7) 車間距離は常に100mである
問題(8) SAやPAでの車中泊は違法である
問題(9) 目的のICを通り過ぎてしまった場合、行き過ぎた分の通行料は支払わなくてもいい
問題(10) 故障などでやむなく停車した場合、三角停止表示板を設置しないと違反になる
問題(11) 故障時の救援依頼は、必ず非常電話からしなければならない
今一度、高速道路のマナーや法律を見直して、安全で快適なドライブを!

>>>クイズで覚える間違いやすい交通ルール「一般道編」はこちら

問題(1) スマートICとは、ETC専用インターチェンジのことである

正解:○

スマートIC(インターチェンジ)は、高速道路の本線やSA(サービスエリア)、PA(パーキングエリア)、バスストップから乗り降りができるよう設置された、無人のインターチェンジです。2024年9月時点で、全国に160箇所のスマートICが設置されています。なお、ETC利用のみ通行でき、現金での利用ができないので、ご注意を。

>>>ETC活用術!時間割引&フリーパスで高速道路をおトクに使う

問題(2) ETCを利用すれば、どのICからも2時間以内の一時退出ができる

正解:×

一時退出を利用するには、クルマに「ETC2.0」対応の車載器を搭載しなければなりません。現在、三井のカーシェアーズで利用できるシェアカーは、ほとんどのクルマがETC2.0に対応しています。

また、一時退出は、すべてのIC(スマートICを含む)で行えるわけではなく、決められたIC(全国で27カ所)のみ対応。一時退出の目的は、ICから2km以内にある指定された道の駅での休憩に限られています。

道の駅に立ち寄り、2時間以内に一時退出したICから高速道路に再入場することで、高速道路利用料金の継続処理が行われます。

該当するIC、及び道の駅は、ETC情報ポータルサイトにて確認できます。

>>>一時退出OK「道の駅常総」

問題(3) 速い速度が怖いから、空いているけど40km/hで走った

正解:×

ほとんどの人は高速道路に限らず、すべての道路に最高速度が定められており、超過した速度で走行すると取り締まられ、罰則を受けることを知っていると思います。しかし、高速道路には「最低速度」が定められていることは、忘れられがちです。

高速道路の本線車道は、指定がない限り50km/hの最低速度が定められています。これは速度の高い高速道路上に、低速走行するクルマがあると危険なため。(渋滞時や悪天候時など、やむを得ない状況を除き)最低速度未満の速度で走行すると、最低速度違反で罰則の対象になります。

最低速度をあらわす道路標識は、速度の下にアンダーバーが引かれています。普通車の最低速度違反の違反点数は1点、違反金は6,000円です。

>>>駐停車禁止に時間指定……忘れがちな標識をおさらい

問題(4) 「キープレフト」は法律で定められている

正解:○

「キープレフト」、別名「左側通行の原則」には2つの意味があります。ひとつは「車線の左側にクルマを寄せて走行すること」、もうひとつは「片側に複数の車線がある道路では、一番左の車線を走行すること」です。ともに道路交通法第20条に定められています。

片側二車線の高速道路では、左の車線が走行車線、右の車線は追い越し車線となります。通常は左の車線を走行し、前走車(前を走行するクルマ)を追い越すときのみ、追い越し車線を走行することができます。

片側三車線以上の場合は一番、右の車線が追い越し車線となり、一番左から追い越し車線の左隣の車線までが走行車線になります。原則、車両は一番左の車線を走行し、普通自動車は全体の速度(流れ)に応じて、他の走行車線の走行が認められます。

追い越し車線で前走車を追い越したあとは、すみやかに走行車線に戻るよう定められています。そのまま追い越し車線を走行し続けると、車両通行帯違反として罰則の対象に。普通車の車両通行帯違反の違反点数は1点、違反金は6,000円です

首都高は道路の左右に分岐や出口、合流があるため、片側二車線であっても追い越し車線が無く、どちらも走行車線となっています。右側にある出口や分岐を利用するため、右側の車線を走行することは認められていますが、原則として左側の車線を走行しなければなりません。

>>>首都高をスムーズに走るには? 走行のポイントや注意点を解説!

問題(5) 左に登坂車線が出てきたので車線変更し、80km/hのまま走行した

正解:×

上り勾配のある高速道路で、積み荷などの影響により速度の低下するクルマが安全に走行できるよう設けられる登坂車線。登坂車線は本線車道ではないため、キープレフトで車線を変更する必要はありません。

登坂車線は最低速度が定められていないため、50km/h未満の速度で走行しても違反になりません。ただし、最高速度は60km/hと定められているので、80km/hで走行すると最高速度違反になります。

>>>高速道路でトラブル発生!そのときどうする?

問題(6) 追い越しのときは制限速度を超えてもいい

正解:×

追い越し車線であっても、最高速度は走行車線と同じ速度に定められています。最高速度が80km/hの区間ならば、追い越し車線であっても80km/h以上の速度を出してしまうと最高速度違反になります。

>>>苦手克服!高速道路の「基本の走り方」をマスターしよう

問題(7) 車間距離は常に100mである

正解:×

道路交通法では一般道・高速道路問わず、「前走車が急停止しても、安全に止まれる距離(車間距離)を取り、保たねばならない」と定められています。

JAFの報告によると、クルマの停止距離(急ブレーキを判断した瞬間から実際にブレーキを踏み、クルマが停止するまでの距離)は、80km/hでの走行時で76m、100km/hでの走行時で112m。前走車も走行していることを踏まえると、必要な車間距離は80km/hでの走行時で66.7m、100km/hでの走行時で83.3m。

ただし、これは路面が乾いている状態の話です。路面が濡れていれば、停止距離はおよそ1.5倍に延び、くわえてタイヤが摩耗して残り溝が少ない状態ならば、もっと延びてしまいます。

また雨天時の高速道路では、雨足と走行するクルマの水しぶきが視界を遮ることも。前走車や隣の車線を走行するクルマの水しぶきが、前走車のブレーキランプが見えづらくし、急ブレーキの発見を遅らせてしまうこともあります。

雨天時や降雪時は状況にあわせて速度を調整し、晴天時以上の車間距離を保ちましょう。

>>>慣れた人でも要注意。雨の道を安全に走る9つのポイント

問題(8) SAやPAでの車中泊は違法である

正解:×

SAやPAは、明確に車中泊を禁止していません。しかし、SAやPAは高速道路を利用する多くの人に、適切な休憩を取ってもらうことを目的とした施設です。駐車スペースがなかったからと休憩を断念し、疲労した状態で運転を続けるのは、とても危険なこと。そのため各NEXCOでは、SAやPAの利用は短時間に留め、駐車スペースを譲り合うよう呼びかけています。

仮眠程度の利用は問題ありませんが、オートキャンプ場代わりに長時間、駐車スペースを占有するのは避けるべきでしょう。

>>>道の駅での宿泊はNG? 快適に寝るための工夫は? 「車中泊」を楽しむための基礎知識

問題(9) 目的のICを通り過ぎてしまった場合、行き過ぎた分の通行料は支払わなくてもいい

正解:○ 

各NEXCOでは、うっかり目的のICを通り過ぎてしまった、あるいは分岐を間違えてしまった人への救済措置として「特別回転」という制度を実施しています。

通り過ぎ、あるいは分岐を間違えたら、次のIC(スマートICを除く)で一般ゲートに向かいます。このとき、事前にETC車載器からETCカードを抜いておきましょう。ゲートで係の人に事情を説明すると、反対方向のICに誘導され、あらためて目的のIC、あるいは分岐先に向かうことができます。特別回転を利用すれば、通り過ぎてしまった分の利用料金は請求されません。

状況により、目的のICや分岐後の料金所で、一般ゲートからETCの処理を行うよう求められる場合もあります。また特別回転のできないICもあるので、詳しくは係の人に尋ねましょう。

首都高には、特別回転の制度はありません。目的のICを間違えたら、次のICから一般道を利用する、あるいは反対方向のICから再度、首都高を利用することになります。通り過ぎた分の利用料金の返金はなく、乗り直した場合は、あらためて利用料金を支払います。

>>>首都高速の難所はココ!乗り方と合流のコツを押さえよう

問題(10) 故障などでやむなく停車した場合、三角停止表示板を設置しないと違反になる

正解:○

高速道路は法令の規定や警察官の指示があった場合をのぞき、駐車や停車は禁じられています。しかし、事故や故障などやむを得ない事情に限り、例外として路肩や路側帯への駐停車が認められます。

もし、クルマの故障などで停車しなければならない場合、まずハザードランプを点灯し、クルマを路肩や路側帯へと寄せて停車後。後続車にクルマの停止を知らせるため、三角停止表示板を50m以上後方に設置しましょう。三角停止表示板の設置は法令で定められており、怠ると「故障車両表示義務違反」により罰則の対象となります(一般道では三角停止表示板の表示義務はありませんが、設置したほうが安全)。

また、あわせて発煙筒を三角停止表示板より後方(後続車からは手前)に設置することで、より早く異変に気付いてもらえます(発煙筒には使用義務がありません)。とはいえ、三角停止表示板を設置しても、後続車が停車するクルマに追突する可能性がありますから、同乗者も含めて車内に留まらず、ガードレールの外へ避難しましょう。

三井のカーシェアーズでは全シェアカーに三角停止表示板を積載しています。ただし、前の利用者がどこかで下ろし、積載を忘れてしまうケースも考えられます。出発の前には、ちゃんと積まれているかの確認をお願いします。

>>>高速道路でトラブル発生!そのときどうする?

問題(11) 故障時の救援依頼は必ず非常電話からしなければならない

正解:×

クルマが故障し、同乗者の避難や三角停止表示板などを適切に配置したら、救援の依頼を行います。救援は高速道路に設置される非常電話のほか、携帯電話からも行うことができます。だから、正解は「✕」。

非常電話は高速道路を管理する「道路管制センター」へ繋がっています。受話器を取るだけでスタッフに繋がるので、状況を説明して指示を仰ぎましょう。携帯電話を利用する場合の連絡先は、道路緊急ダイヤル(#9910)です。このときは、停車した場所を正確に伝えるため、近くの「キロポスト」の数字を確認しておきましょう。

安全な場所に移動したら三井のカーシェアーズのサポートセンターに連絡し、移動手段などの相談を行います。電話番号はアプリの会員ページや車内マニュアルで確認できます。

>>>トラブルにあった場合の対応(三井のカーシェアーズ)

今一度、高速道路のマナーや法律を見直して、安全で快適なドライブを!

クイズは何問、正解できましたか? トラブルにあった場合の対応意外と忘れている交通ルールやマナー、高速道路の利用方法があったのではないでしょうか。

正しくルールを覚えておけば不測の事態を防げ、またICの通り過ぎといったミスにも余裕を持って対処することができます。定期的に交通ルールやマナーを再確認し、安全で快適なドライブを楽しみましょう!

>>>さらに楽しく安全に「ドライブの知識」の記事一覧

>>>「おすすめドライブ」スポットやルートを紹介!

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「センターライン」の種類(白、オレンジ、破線)と意味をおさらいしよう https://blog.carshares.jp/14468/ https://blog.carshares.jp/14468/#respond Mon, 20 Nov 2023 01:00:00 +0000 https://blog.carshares.jp/?p=14468 白、黄色、実線、破線、二重線……、クルマを運転すれば必ず目にする道路のセンターライン(中央線)。それぞれにどんな意味があるのか、きちんと覚えていますか?

なんとなくは知っていても、自信を持って説明できる人は意外と少ないもの。そこで、交通違反をしないため、そしてなにより安全運転のために、いま一度センターラインの種類と意味をおさらいします。

<目次>
センターラインの種類は3つ
 →「黄色の実線」「白色の破線」「白色の実線」
二重線、三重線の場合はどうなる?
  → 左側のラインに従おう
「ドットライン」の意味は?
  → 車線を狭く見せてスピードを抑制
片側2車線以上の道路は「車線境界線」
  → 黄色の線と白い線がある
正しい知識を持って安全で楽しいドライブを!

センターラインの種類は3つ(黄色、白色、白色破線)

さまざまなパターンがあるセンターラインですが、基本的な種類は「黄色(オレンジ色)の実線」「白色の破線」「白色の実線」の3つです。

■黄色(オレンジ色)の実線

  黄色(オレンジ色)の実線は「追い越しのためのはみ出し通行禁止」
黄色(オレンジ色)の実線は「追い越しのためのはみ出し通行禁止」

市街地を運転していてもっともよく見かけるのは、「黄色(オレンジ色)の実線」でしょう。これは「追い越しのためのはみ出し通行禁止」を意味しています。路上駐車や停車中のバスなどを追い越すために、はみ出すことは問題ありません。その際は、対向車や後続車に進路変更を知らせるため、必ずウィンカーを出すようにしましょう。

■白色の破線

 「白色の破線」は「はみ出し、追い越し可能」
「白色の破線」は「はみ出し、追い越し可能」

「白色の破線」は「はみ出し、追い越し可能」なセンターラインです。「黄色の実線」と違って、追い越しできることが、大きな違い。とはいえ、制限速度を超えての追い越しは速度違反となりますので、ご注意ください。

「黄色の実線」「白色の破線」は、道幅6m未満の比較的、道幅が狭い道路で使われています。

■白色の実線

3つ目の「白色の実線」は、「はみ出し禁止」を意味します。つまり、追い越しをする場合でも、センターラインをはみ出してはいけないのです。

「駐車車両があったらどうするの?」と思われるかもしれませんが、心配はいりません。「白色の実線」は、道幅6m以上の広い道路でしか使われていないからです。

  「白色の実線」は「はみ出し禁止」
「白色の実線」は「はみ出し禁止」

3種類のセンターラインをまとめると、次のとおり。

●黄色実線:道路幅6m未満、追い越しのためのはみ出し禁止
●白色破線:道路幅6m未満、はみ出し、追い越し可能
●白色実線:道路幅6m以上、はみ出し禁止

二重線、三重線の場合はどうなる?

センターラインが、二重三重になっている場合があります。これも、基本を知っていれば難しくありません。「走行側のラインの種類」に従います。簡単に言うと、左側のラインです。

■二重線

二重線は「走行側(左側)のラインの種類」が有効となる
二重線は「走行側(左側)のラインの種類」が有効となる

上の写真のように「左:黄色の実線/右:白色の破線」なら、左側の黄色のラインに従います。仮に反対の車線を走っていたら、白色の破線に従います。

「白線の二重線」は、センターラインを強調するためのもので、特に注意が必要な道路で用いられています。その意味は、「白色の実線」と同じで「はみ出し禁止」です。

■三重線

三重線も考え方は二重線と同じ。「走行側のライン」を見よう
三重線も考え方は二重線と同じ。「走行側のライン」を見よう

こちらもセンターラインを強調するために使われるものですが、「左側のライン」に従うため、センターラインの意味としては「黄色の実線」です。

対向車やセンターラインをはみ出してくる対向車に特に気をつけたい、狭い道や見通しの悪い道でよく見られます。

「ドットライン」の意味は?

下り坂やカーブでは、車線の両側に白色の破線が引かれていることがあります。これは、「ドットライン」と言い、車線を狭く見せることでスピードを抑えることを促すものです。

「ドットライン」を見たら速度の出しすぎに注意
「ドットライン」を見たら速度の出しすぎに注意

センターラインは別にあるので、追い越しなどのルールはセンターラインに従いますが、ドットラインを見たら速度を落として注意して走行しましょう。

片側2車線以上の道路は「車線境界線」

ここまで説明してきたのは、すべてセンターラインについてです。幹線道路や高速道路など、片側2車線以上ある道路で、複数のレーンを区切るために引かれている線は「車線境界線」と言い、センターラインとは意味が異なります。

   片側2車線以上の道路でレーンを区切る線は「車線境界線」と言う
片側2車線以上の道路でレーンを区切る線は「車線境界線」と言う

黄色の実線は「車線変更と追越しが禁止」で、白色の場合は、実線/破線を問わず、「ラインをまたいでの車線変更や追越しが可能」です。

白色と黄色の二重線の場合は、車線境界線の左を走っている場合は左側の、右を走っている場合は右側のラインが有効となります。

正しい知識を持って安全で楽しいドライブを!

普段、センターラインをあまり気にせず運転している人もいるでしょう。普通に運転している分には、追い越しをする機会はあまりありませんが、センターラインの種類を知ることでその道路の様子や危険性を予測することもできます。センターラインの意味をおさらいして、さらなる安全運転を心がけてくださいね。

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首都高をスムーズに走るには? 走行のポイントや注意点を解説! https://blog.carshares.jp/21210/ https://blog.carshares.jp/21210/#respond Thu, 29 Jun 2023 01:15:13 +0000 https://blog.carshares.jp/?p=21210 運転歴が長く、運転経験の豊富な人でも、首都高を走行する際は少なからず緊張するもの。免許証を取得して日の浅い人や、日頃、首都高を利用しない人ならば、なおさらです。そこで今回は、分岐や合流など、首都高をスムーズに走るためのテクニックや注意すべき点を解説します。

<目次>
なぜ、首都高の運転は難しい?
まずは「首都高の仕組み」を知ろう!
首都高の「難所ポイント」は?
放射線はスピードの出しすぎに注意
環状線で走るべき車線は?
分岐や出口を間違えたらどうする?
首都高は渋滞も多い……
降り方にもポイントがある
苦手克服には実践あるのみ!

なぜ、首都高の運転は難しい?

首都高の運転が難しい理由は、ほかの高速道路にはない特殊な構造や道路交通環境にあります。たとえば……

■合流のための加速車線の短さ
■左右の両方に設置される出入口
■多数の急なカーブやアップダウン
■カーブやアップダウンにともなう前方の視界の悪さ
■目的地に行くための分岐やジャンクションの多さ
■混雑や渋滞の発生頻度の多さ
■クルマの列をぬうような車線変更の必要性
■道路が英数字で表記され、走っている場所がわかりづらい

などなど、一般的な高速道路や自動車専用道路とは、異なる部分がたくさんあるのです。

まずは「首都高の仕組み」を知ろう!

首都高をスムーズに走るためには、まずはその仕組みを知っておきましょう。東名高速や中央自動車道など、ほかの高速道路と違い、首都高は2つの環状線を中心に、そこから放射状に伸びる各線により構成されています。クモの巣をイメージするとわかりやすいでしょう。

都心環状線(C1)と中央環状線(C2)を中心に放射上に道が伸びる(図は2019年時点の路線)
都心環状線(C1)と中央環状線(C2)を中心に放射上に道が伸びる(図は2019年時点の路線)

●2つの環状線
皇居を中心に、もっとも内側を走る環状線は「首都高速都心環状線」で、「C1」と呼ばれます。C1の外側を走る環状線は「中央環状線(一部、湾岸線)」で、こちらは「C2」です。どちらも、時計回りを「外回り」、反時計回りを「内回り」と呼びます。憶えておくと、交通情報のアナウンスで、渋滞や事故の発生した場所を推測しやすくなるでしょう。

●放射状に伸びる各線
C1から放射状に伸びる線は現在、10本。浜崎橋JCTから繋がる「1号羽田線」を皮切りに、基本的には時計回りに数字が割り振られています。(例外として「1号上野線」がありますが、これは1号羽田線とC1を経由してつながり「1号線」としているためです)

C2から放射状に伸びる線は現在、10本が運用されています。

放射状に伸びる各線は、C1の中央(皇居)に向かって進む側を「上り」、遠ざかる側を「下り」と呼びます。湾岸線は「B」と表記され、上り下りではなく「西行き(横浜、羽田方面)」「東行き(千葉方面)」と、方角で進行方向を表します。

首都高の基本的な仕組みと番号のルールをおぼえ、事前に目的地までのルートを調べること(C1内回りから4号へ分岐、そのまま下って中央自動車道を利用、など)で、自分の位置や標識が理解できるようになると、心の余裕を作ることができます。

なお、下の写真は、4号新宿線の上り、三宅坂JCT前に設置された標識です。「こうした標識が出てくるんだな」と、頭に入れておくといいでしょう。

4号新宿線からC1へ入る分岐を示す標識
4号新宿線からC1へ入る分岐を示す標識

ちなみに、この標識は、左の車線を進むとC1外回りに分岐し、先方に5号池袋線と6号向島線、神田橋JCTや箱崎JCTがあること。右の車線を進むとC1内回りに分岐し、先方に1号羽田線と3号渋谷線、霞が関出入口や湾岸線があることを示しています。

首都高の「難所ポイント」は?

一般的な高速道路への入口は、見通しがよく、余裕のある長さを持った加速車線が設けられ、楽に走行車線へと合流を行うことができます。一方、首都高は出入口や合流、分岐が集中し、必然的に加速車線が短く、時に急なカーブを曲がりながらの合流を行います。わずかな時間での周囲の確認や判断を要求されるため、難易度が高いのです。

ゲートを通過したあと、本線までの加速車線が短い場所が多い
ゲートを通過したあと、本線までの加速車線が短い場所が多い

首都高を利用するドライバーは、合流が難しいことを知っています。多くの人は、合流しようとするクルマを見かけたら、適切な車間距離を空けるなど、走行車線に迎え入れるよう行動してくれます。

本線に合流する場合、ほかの高速道路での合流と同じように走行車線の流れを見て加速し、ウィンカーで合流したい意思を伝えましょう。加速しきれずスピードが遅いと、走行車線にいるクルマもタイミングを図ることができず、迎え入れるための行動がとれなくなります。

ただし、首都高を走行するクルマ(ドライバー)が、技量や経験に余裕のある人ばかりではありません。緊張のあまり、合流したいクルマがあることに気付けないケースもあります。合流時に「適切な車間距離が空かない」と判断した場合は、すぐに少しだけ加速をゆるめ、1台分後ろの車間に合流するべく、気持ちと行動を切り替えましょう。

自分が本線にいる場合、加速車線を走ってくるクルマを意識する
自分が本線にいる場合、加速車線を走ってくるクルマを意識する

高速道路を走行しているときに、加速車線を走行するクルマを見かけたら、合流にそなえて車間距離を空ける、あるいは右側の車線へと車線変更を行います。首都高でも基本的には一緒ですが、左右の両方から合流があること、また加速車線が短いといった違いがあります。加速車線にクルマを見かけたら、すぐに合流してくると考え、迎え入れるための行動に入りましょう。

放射線はスピードの出しすぎに注意

C1の制限速度は50km/hですが、各放射線の制限速度は50~80km/hと異なります(C2の制限速度は湾岸線を除いて、概ね60km/h)。おなじ首都高でもC1から放射線に入る、あるいは放射線からC1に入ったら制限速度を変わることを、覚えておきましょう。

特に速度感覚が変わるトンネルはスピードに気をつけよう
特に速度感覚が変わるトンネルはスピードに気をつけよう

放射線は直線が主体で見通しが良好なため、特に環状線から分岐したあとは開放的な気分になり、スピードを出してしまいがちです。スピードを出しすぎないことと、また周囲のクルマが加速することを意識して走行しましょう。

放射線は見通しのいい直線が多いため、ついついスピードを出してしまいがち
放射線は見通しのいい直線が多いため、ついついスピードを出してしまいがち

逆に放射線から環状線に進入した場合、急なカーブの先で混雑や渋滞が発生していることが多々、あります。「カーブの先には渋滞があるかもしれない」と先々の状況を予測し、十分に用心して走行することが大切です。

環状線で走るべき車線は?

首都高に不慣れなうちは「どこで分岐すればいいのかわからない……」「出口が右と左、どちらにあるかわからない……」と、分岐や出口で戸惑ってしまうもの。事前にルート検索サイトやナビアプリ、カーナビでルートを確認し、具体的に走行する放射線の番号を確認することで、首都高の標識が理解しやすくなります。

この標識は左車線が八重洲線(Y)への分岐、右2車線が引き続きC1内回りの走行であることを示す
この標識は左車線が八重洲線(Y)への分岐、右2車線が引き続きC1内回りの走行であることを示す

首都高は「追い越し車線」がなく、全車線が「走行車線」と定められています。そのため「常時、右側の車線を走行してもいい」と勘違いされますが、原則として左の車線を走行しなければなりません。

分岐や出口、追い越しなど、首都高では頻繁にクルマの車線変更が行われます。自身が車線変更を行う際には、普段以上にミラーや目視で周囲のクルマを確認し、後ろや隣の車線を走るクルマとの距離や速度の差を把握してから行います。

少し前には車線変更を行うだけのスペースがあったものの、その数秒後に別のクルマが車線変更をし、自分が車線変更を行ったときにはスペースがなかった……なんて事態に陥らないよう、確認後はすみやかにウィンカーを出して、車線変更の意思を回りのクルマに伝えましょう。

分岐や出口を間違えたらどうする?

気が付いたら分岐すべきJCTが目前にあり、このままでは間に合わない……。

こんなとき、あせってしまう気持ちはわかりますが、急ブレーキをかけたり急に車線を変更したりすると、後続車の迷惑になるばかりか、ときに重大な事故を招きます。

分岐を過ぎてしまう……こんなときは無理せず、もう1周
分岐を過ぎてしまう……こんなときは無理せず、もう1周

環状線は、基本的には左の車線を走行することで、1周して元の場所まで戻ることができます。間違えたことを素直に受け入れ、もう1周して分岐するよう気持ちを切り替えましょう。仮にC1を1周走ったとしても、渋滞がなければ20分ほどです。

また、環状線から出るべき分岐を間違えても、ほとんどの場合、より外側を走る環状線(C2や東京外かく環状道路)を利用して、本来のルートに戻ることができます。

運悪く環状線に接続しない放射線に分岐してしまったら、出口から首都高をおり、一般道を利用して戻ることになりますが、そのためのルートはカーナビが自動的に示してくれますから安心を。ただし、首都高は分岐や出口を間違ったことによる、利用料金免除などの措置は実施されていないので、その分の料金はかかってしまいます。

間違えて降りてもカーナビをセットしていれば自動的にリルートし、案内してくれる
間違えて降りてもカーナビをセットしていれば自動的にリルートし、案内してくれる

運転の上手い人ほどカーナビのルートを外れても動じず、すぐに気持ちを切り替えて運転を続けます。間違えたことで焦り、落ち込んでいては、判断や安全運転に支障が生じてしまうもの。最初から、「万が一分岐で間違えても大丈夫」と思えれば、緊張感もやわらぐというものです。間違えても落ち着いてリカバリーを行えるよう、時間には余裕をもって行動しましょう。

首都高は渋滞も多い……

交通量の集中する首都高は、頻繁に混雑や渋滞が発生することでも知られています。それまで順調に流れていたのに、カーブを曲がったらいきなり渋滞……ということも、珍しくありません。

カーブを曲がったらいきなり渋滞が……というのは結構怖いパターン
カーブを曲がったらいきなり渋滞が……というのは結構怖いパターン

首都高のいずれかで渋滞が発生した際は、電子掲示板に情報が表示されます。進みたいルートに影響する渋滞かを判断するため、事前にルートを確認しておくことは有効です。渋滞前には混雑することが多いので、交通量が増えたら渋滞を予測し、スピードを落として走行しましょう。

気をつけなくてはいけないのは、渋滞中の追突事故。前後や隣車線のクルマと同じゆっくりとしたスピードで走る渋滞時は、進んでいる感覚がわかりづらくなります。そのため、前のクルマが止まったときに気づかず追突……という事故が起こりやすいものです。

「動いている感覚」に意識すると同時に、前走車に追突せぬよう車間距離に注意して、停車中はクリープで進まないよう、しっかりとブレーキを踏み込みましょう。

周囲のクルマが一斉にゆっくり動いていると、動いていないかのような錯覚が起こる
周囲のクルマが一斉にゆっくり動いていると、動いていないかのような錯覚が起こる

渋滞追従機能のついた「アダプティブ・クルーズコントロール(ACC)」は、前走車が停車すると、一定の距離をあけて停車。前走車が発進すると、追従して発進する、便利な運転支援機能です。割り込んできたクルマにも対応し、自動で減速して車間距離をあけてくれます。ぜひ活用し、より安全な運転に役立ててください。

ただし、車種により渋滞追従機能がないACCもあります。また、速度が30km/h以下になると機能がキャンセルされ、自分でブレーキを踏む必要のあるタイプもあります。詳しくは車載の操作マニュアルでご確認ください。

降り方にもポイントがある

入口からの加速車線が短い首都高は、本線を降りてからゲートまでの区間も短いもの。また、ゲートを通過したあと、すぐに信号や一時停止、合流があるケースも少なくありません。

降りたカーブの先に「止まれ」がある外苑の出口
降りたカーブの先に「止まれ」がある外苑の出口

本線を降りたら、まずは十分にスピードを落として安全な速度でゲートへ。そして、ゲート通過後は、信号や一時停止、合流などがないかをよく確認してから、進むようにしましょう。また、一般道におりた直後は、首都高を走行していたときのスピード感が残っています。スピードを出しすぎないよう気をつけることも大切です。

苦手克服には実践あるのみ!

一般道や、ほかの高速道路との違いから、「怖い」「難しそう」と苦手意識を持たれがちな首都高。けれど基本的な構造を知り、事前にルートを確認しておくことで、不安をやわらげることができます。

首都高をマスターすれば行動範囲がぐっと広がる!
首都高をマスターすれば行動範囲がぐっと広がる!

実際の走行でも、ポイントを知って心構えをしておけば、落ちついて運転することができますから、まずは今回紹介したポイントを頭に入れて、実践してみてください。首都高の苦手を克服すれば、ぐんと行動範囲が広がって、ドライブが楽しくなりますよ!

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