ドライブの知識

「キャンプや車中泊」をカーシェアで楽しむための準備とポイント【初心者向け】

家族や友人同士でのアウトドア。カーシェアで楽しみたい人と考えている人もいるのは?

そこで気になるのが、キャンプや車中泊のための準備。特に初心者にとって、「何を準備すればいいのか」「快適に過ごすにはどうしたらいいのか」は、気になるところでしょう。

そこで、キャンプの達人でアウトドアライターのみーこパパさんに、キャンプや車中泊をカーシェアで楽しむための準備とポイントを聞いてみました。

<キャンプの達人>
みーこパパさん
東京在住2児とネコの父、アウトドア関連ライター。家族とのファミリーキャンプはもちろん、バイクでのソロキャンプも楽しむ

みーこパパさんX
>>>https://twitter.com/miiko_papa

ブログ「ファミリーキャンピング」
>>>https://mii-camp.site/

<目次>
マイカーと違うカーシェアでのアウトドア
車種の選び方:キャンプの場合
車種の選び方:車中泊の場合
初めてのオートキャンプ、準備とポイント
最初はレンタルサービスを使ってみよう
車中泊をするときの準備とポイント
車中泊してもよい場所はどこ?
悪天候の時は無理せず避難を
カーシェアはアウトドアの第一歩に最適!

マイカーと違うカーシェアでのアウトドア

カーシェアでキャンプや車中泊をはじめとしたアウトドアをするには、まず「クルマ選び」が大切です。

クルマが目の前にあっていつでも荷室などの確認できるマイカーとは違い、カーシェアの場合は「そのクルマにどのぐらいの荷物が載せられるのか」「シートアレンジの種類」の2つを事前に確認しておく必要があります。自動車メーカーのWEBサイトやこのブログの車種紹介記事などを見ておいたり、事前に短時間借りて実車をチェックしたりするといいでしょう。

荷室のサイズやシートアレンジ(倒れ方など)がポイント(写真はヴェゼル)
荷室のサイズやシートアレンジ(倒れ方など)がポイント(写真はヴェゼル)

アウトドアの計画の中に「クルマ選び」も入れておき、余裕を持って選ぶことをオススメします。迷ったら、室内が広い大きなクルマを選んでおけば間違いないですが、運転に技術や慣れが必要になりますから、運転に自信がなければ、大きすぎる車種は避けておくのがいいですね。

「公共交通機関と併用しやすい」というのは、カーシェアならではのメリット。たとえば、北海道や沖縄に行きたい場合、マイカーではフェリーがないと行けませんが、カーシェアなら現地のステーションからクルマに乗ることで、時間と費用を大幅に減らせます。

カーシェアで意識しなくてはいけないのは、「次に使う人がいる」ということ。車内を汚したらキレイにして返すのはもちろん、車内での調理も安全性と匂い残りの点で避けましょう。

車種の選び方:キャンプの場合

キャンプ道具を自ら用意して持って行くなら、それなりの積載量が必要になります。とはいえ、ひとりで行くソロキャンプと、ふたりで行くデュオキャンプならその限りではなく、4人以上乗れるクルマなら、基本的に何でも大丈夫。2人までのキャンプなら後席を倒してもいいし、空いているシートにも荷物を載せられるので、あまり難しく考えなくていいでしょう。

後席シートを倒せば荷室は十分以上に広くなる(写真はクロスビー)
後席シートを倒せば荷室は十分以上に広くなる(写真はクロスビー)

3人以上でキャンプに行くケースを考えてみましょう。この場合、後席を倒したり、シートに荷物を載せることができないので、軽自動車やコンパクトカーだと手狭になります。ミドルクラス以上で荷物もたくさん積みやすい、ステーションワゴンやSUV、ミニバンがオススメです。

「アウトドアは車高の高いSUVが必須」と言われることもありますが、オートキャンプ場に行く場合、キャンプ場内の通路は普通車でも走行可能な程度に整備されていますので、車高や悪路走破性の高い車種こだわる必要はありません。

>>>「三井のカーシェアーズ」車種ラインアップ

車種の選び方:車中泊の場合

車中泊では、シートアレンジがポイントとなります。シートを「フルフラットにできるかどうか」が快眠のカギとなるからです。

また、車内で過ごす時間が長くなるため、室内にある程度の高さがある方が快適。具体的なオススメ車種は、やはりミドルクラス以上のミニバンとなります。

ミドルクラス以上のミニバンには写真の「ステップワゴンAIR」や「ヴォクシー」「セレナ」がある
ミドルクラス以上のミニバンには写真の「ステップワゴンAIR」や「ヴォクシー」「セレナ」がある
「ステップワゴンAIR」のシートを倒してフルフラットにした状態
「ステップワゴンAIR」のシートを倒してフルフラットにした状態

そうはいっても、足を伸ばして眠れるのは、どの車種でも「1~2人+小さい子ども」程度。4人以上での車中泊は、どんなクルマでも難しく、キャンピングカーや「ベッドキット」という追加装備が必要になります。

ちなみに、ひとりで車中泊するなら、「スペーシアギア」もオススメです。室内の長さで劣る軽自動車ですが、助手席が倒れてフラットなスペースを作れます。

助手席を倒した「スペーシアギア」の室内。床面の段差が少ないことにも注目
助手席を倒した「スペーシアギア」の室内。床面の段差が少ないことにも注目

>>>「ステップワゴンAIR」の車種紹介を見る

>>>「スペーシアギア」の車種紹介を見る

初めてのオートキャンプ、準備とポイント

ここからはオートキャンプや車中泊をする具体的な方法をお伝えしていきましょう。まずは、オートキャンプから。

筆者のオートキャンプの様子。タープテントの下にテーブルやチェアを設置
筆者のオートキャンプの様子。タープテントの下にテーブルやチェアを設置

オートキャンプをするにあたって最低限必要となるものは、寝るためのアイテム「テント」「マット」「寝袋」の3点です。

ここに、キャンプ場でくつろぐためのテーブルとチェア、料理をするための調理道具や焚き火の道具などを、必要に応じて追加していきます。最初から全部揃えようとせず、手を抜けるところは抜いていいですよ!

<オートキャンプで使うアイテムの例>
・テーブル/チェア
・タープテント
・枕
・ランタン
・クーラーボックス
・コンロ(カセットガスコンロ、焚き火台、BBQコンロ)
・調理器具(鍋、フライパン、おたま、トングなど)
・カトラリー(皿、割り箸、スプーン、フォークなど)
・ゴミ袋
・レジャーシート
・虫除けスプレー、蚊取り線香
・モバイルバッテリー

このように道具を揃えていくと、結構な荷物になります。細かいものもあるので、これらを収納するコンテナボックスなどに入れて、クルマに積むことになります。

最初はレンタルサービスを使ってみよう

ここまで読んで、「キャンプは用意するものが多くて敷居が高いな……」と、感じられた方もいるでしょう。でも、ご安心ください!

手ぶらで来てもキャンプできるように、必要な道具一式をレンタルしてくれるキャンプ場も少なくないのです。最初のうちは、こういったサービスを利用することをオススメします。

レンタル用品が充実しているキャンプ場を探すのもひとつの手
レンタル用品が充実しているキャンプ場を探すのもひとつの手

一度やってみて楽しければ、自分で少しずつ道具を揃えていくといいでしょう。自分流の道具を増やし(あるいは厳選して減らし)ていくのも、キャンプの楽しみのひとつです。

手ぶらキャンプでは着替え、洗面道具、タオルなど、普段の旅行でも使うものだけを持っていけばOK。お子さんと行く場合は、外で遊ぶおもちゃ、テントの中で遊べるおもちゃなどもあるといいですね。

また、慣れないうちは無理してテントを張らずにロッジやコテージ、バンガローといったキャンプ場の宿泊設備を利用するといいでしょう。冷暖房も照明もありますし、悪天候にも強く快適です。

テントの設営などに不安がある人は建物のある施設がオススメ
テントの設営などに不安がある人は建物のある施設がオススメ

車中泊をするときの準備とポイント

車中泊はクルマさえあればできますが、それでもやはり快適に眠るためには、最低限の道具は必要となります。それは、「車中泊用マット」「タオル」「寝袋」「シェード」の4点です。

「車中泊用マット」は、シートの段差を解消して柔らかさを確保し、足を伸ばして眠れる場所を作るために使います。

車中泊用マットを敷くと快適性がグンとアップする
車中泊用マットを敷くと快適性がグンとアップする

足を伸ばせないと睡眠が浅くなりがちで、疲れも取れません。最悪の場合、エコノミークラス症候群を発症する恐れもあります。疲れたり身体を悪くしたりしては、本末転倒ですよね。

空気を入れてふくらませるタイプのマットは、コンパクトに折り畳んで持ち運べるので、カーシェア向きだと言えるでしょう。

なお、車中泊マットを敷いても段差が残る場合もあります。こんなときは、シートとマットの間に「タオル」を詰めて、段差を埋めます。

できるだけ段差をなくすことが快適に寝るポイント
できるだけ段差をなくすことが快適に寝るポイント

タオルは、温泉に立ち寄ったときや窓の結露を拭き取るときにも活躍しますから、予備も含めて3~4枚は持っておくといいですね。次の「寝袋」は、布団の代わりです。

寝るときはやはり「掛けるもの」があったほうがいい
寝るときはやはり「掛けるもの」があったほうがいい

車中泊ではアイドリングストップ(エンジンOFF)が基本となるので、クルマの冷暖房に頼らない寒さ・暑さへの対応が必要です。家の布団を持ち出しても構いませんが、寝袋はコンパクトに収納できるので便利。また、寝袋の収納袋は、着替えやタオルを詰めると枕の代わりになります。

ちなみに、寝袋は商品によって対応できる気温に差があるので、選ぶときはよく確認してください。寒い季節に対応するものほど、高価になります。

最後の「シェード」は、外からの視線を遮ってプライバシーを高め、安眠度を上げてくれるアイテム。断熱の効果もあり、車内環境を快適にしてくれます。

暑さ寒さ対策のためにもプライバシーのためにも用意したい
暑さ寒さ対策のためにもプライバシーのためにも用意したい

隙間なくフィットする車種専用品もありますが、カーシェアで利用するなら、カー用品店や100円ショップなどで買える汎用品のシェードを購入するといいでしょう。

その他、次のようなアイテムがあると、より快適な車中泊ができます。

<車中泊にオススメのアイテム一例>
・枕
・LEDランタン
・テーブル
・チェア/スツール
・クーラーボックス
・ポータブル電源
・タープテント

車中泊してもよい場所はどこ?

車中泊では、「車中泊をする場所」も大切です。空き地などに勝手にクルマを停めて寝るのは、トラブルのもと。道の駅やパーキングエリアは、仮眠程度の利用なら問題ありませんが、長時間の占有やテーブル・チェアの設置、火気の使用は禁止です。

オススメは、「RVパーク」という車中泊を推奨している場所。

利用するには事前予約が必要(施設により)、一泊1500~3000円程度で利用できる
利用するには事前予約が必要(施設により)、一泊1,500~3,000円程度で利用できる

車中泊の場所選びで重要なのは、「長時間クルマを停めていても良い場所」かつ「トイレが利用できる」こと。RVパークは利用料金がかかりますが、いずれの条件も満たしており、安心して車中泊ができます。場所によっては、シャワーや電源コンセントが使えるところも。

また、オートキャンプ場も、車中泊をオススメできる場所です。クルマの横にタープテントを設置したり、火を使った調理もできるので、よりアウトドア色の濃い車中泊が可能になります。

なお、RVパークやオートキャンプ場でも、アイドリングストップは必須。また、夜間の移動禁止、車外にテーブルやイスを置いてよいかなど、場所によってルールが決まっています。ルールを守れなければ車中泊できる場所が減ってしまいますので、必ず守ってくださいね。

悪天候の時は無理せず避難を

最後に、もうひとつ大事なことを。それは「悪天候」です。アウトドアでも、タープテントがあれば、雨はさほど恐れるものではありません。ただし、それは一般的な雨の場合で、警報が出るような悪天候では、「屋外で寝る」こと自体がリスクの高いこととなります。

大雨の予報が出ていたらキャンプや車中泊は「行わない」が基本
大雨の予報が出ていたらキャンプや車中泊は「行わない」が基本

車中泊は、テント泊に比べて身軽かつ悪天候にも強いのですが、警報級の悪天候ではやはり危険です。予定を延期するか、24時間営業の健康ランド、ホテルなどに逃げるようにしましょう。

カーシェアはアウトドアの第一歩に最適!

カーシェアでも、オートキャンプや車中泊は充分に楽しめます。必要な道具が少なくて身軽、かつ悪天候にも強い分、車中泊の方が敷居は低くて始めやすいといえますね。夏は標高が高く涼しい避暑地へ、冬は暖かい南の方へ。最初の第一歩をカーシェアで始めてみてはいかがでしょうか?

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