ドライブの知識

クイズで覚える間違いやすい交通ルール ~高速道路編~

教習所で習ったものの、何かと忘れがちな交通ルール。「この標識なんだっけ?」「こんなときどうしたら……」と、あいまいなまま運転するのは、避けたいものです。特に、速度の高い高速走行では、ちょっとしたことが大きな事故につながることも……。

事故を起こさないことはもちろん、交通の流れを乱すことのないよう、交通ルールは正しく覚えておくべき。そこで今回は、おさらいしておきたい高速道路の交通ルールを「◯×クイズ」にしました。ぜひ、挑戦してください。

<目次>
問題(1) スマートICとは、ETC専用インターチェンジのことである
問題(2) ETCを利用すれば、どのICからも2時間以内の一時退出ができる
問題(3) 速い速度が怖いから、空いているけど40km/hで走った
問題(4) 「キープレフト」は法律で定められている
問題(5) 左に登坂車線が出てきたので車線変更し、80km/hのまま走行した
問題(6) 追い越しのときは制限速度を超えてもいい
問題(7) 車間距離は常に100mである
問題(8) SAやPAでの車中泊は違法である
問題(9) 目的のICを通り過ぎてしまった場合、行き過ぎた分の通行料は支払わなくてもいい
問題(10) 故障などでやむなく停車した場合、三角停止表示板を設置しないと違反になる
問題(11) 故障時の救援依頼は、必ず非常電話からしなければならない
今一度、高速道路のマナーや法律を見直して、安全で快適なドライブを!

>>>クイズで覚える間違いやすい交通ルール「一般道編」はこちら

問題(1) スマートICとは、ETC専用インターチェンジのことである

正解:○

スマートIC(インターチェンジ)は、高速道路の本線やSA(サービスエリア)、PA(パーキングエリア)、バスストップから乗り降りができるよう設置された、無人のインターチェンジです。2024年9月時点で、全国に160箇所のスマートICが設置されています。なお、ETC利用のみ通行でき、現金での利用ができないので、ご注意を。

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問題(2) ETCを利用すれば、どのICからも2時間以内の一時退出ができる

正解:×

一時退出を利用するには、クルマに「ETC2.0」対応の車載器を搭載しなければなりません。現在、三井のカーシェアーズで利用できるシェアカーは、ほとんどのクルマがETC2.0に対応しています。

また、一時退出は、すべてのIC(スマートICを含む)で行えるわけではなく、決められたIC(全国で27カ所)のみ対応。一時退出の目的は、ICから2km以内にある指定された道の駅での休憩に限られています。

道の駅に立ち寄り、2時間以内に一時退出したICから高速道路に再入場することで、高速道路利用料金の継続処理が行われます。

該当するIC、及び道の駅は、ETC情報ポータルサイトにて確認できます。

>>>一時退出OK「道の駅常総」

問題(3) 速い速度が怖いから、空いているけど40km/hで走った

正解:×

ほとんどの人は高速道路に限らず、すべての道路に最高速度が定められており、超過した速度で走行すると取り締まられ、罰則を受けることを知っていると思います。しかし、高速道路には「最低速度」が定められていることは、忘れられがちです。

高速道路の本線車道は、指定がない限り50km/hの最低速度が定められています。これは速度の高い高速道路上に、低速走行するクルマがあると危険なため。(渋滞時や悪天候時など、やむを得ない状況を除き)最低速度未満の速度で走行すると、最低速度違反で罰則の対象になります。

最低速度をあらわす道路標識は、速度の下にアンダーバーが引かれています。普通車の最低速度違反の違反点数は1点、違反金は6,000円です。

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問題(4) 「キープレフト」は法律で定められている

正解:○

「キープレフト」、別名「左側通行の原則」には2つの意味があります。ひとつは「車線の左側にクルマを寄せて走行すること」、もうひとつは「片側に複数の車線がある道路では、一番左の車線を走行すること」です。ともに道路交通法第20条に定められています。

片側二車線の高速道路では、左の車線が走行車線、右の車線は追い越し車線となります。通常は左の車線を走行し、前走車(前を走行するクルマ)を追い越すときのみ、追い越し車線を走行することができます。

片側三車線以上の場合は一番、右の車線が追い越し車線となり、一番左から追い越し車線の左隣の車線までが走行車線になります。原則、車両は一番左の車線を走行し、普通自動車は全体の速度(流れ)に応じて、他の走行車線の走行が認められます。

追い越し車線で前走車を追い越したあとは、すみやかに走行車線に戻るよう定められています。そのまま追い越し車線を走行し続けると、車両通行帯違反として罰則の対象に。普通車の車両通行帯違反の違反点数は1点、違反金は6,000円です

首都高は道路の左右に分岐や出口、合流があるため、片側二車線であっても追い越し車線が無く、どちらも走行車線となっています。右側にある出口や分岐を利用するため、右側の車線を走行することは認められていますが、原則として左側の車線を走行しなければなりません。

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問題(5) 左に登坂車線が出てきたので車線変更し、80km/hのまま走行した

正解:×

上り勾配のある高速道路で、積み荷などの影響により速度の低下するクルマが安全に走行できるよう設けられる登坂車線。登坂車線は本線車道ではないため、キープレフトで車線を変更する必要はありません。

登坂車線は最低速度が定められていないため、50km/h未満の速度で走行しても違反になりません。ただし、最高速度は60km/hと定められているので、80km/hで走行すると最高速度違反になります。

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問題(6) 追い越しのときは制限速度を超えてもいい

正解:×

追い越し車線であっても、最高速度は走行車線と同じ速度に定められています。最高速度が80km/hの区間ならば、追い越し車線であっても80km/h以上の速度を出してしまうと最高速度違反になります。

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問題(7) 車間距離は常に100mである

正解:×

道路交通法では一般道・高速道路問わず、「前走車が急停止しても、安全に止まれる距離(車間距離)を取り、保たねばならない」と定められています。

JAFの報告によると、クルマの停止距離(急ブレーキを判断した瞬間から実際にブレーキを踏み、クルマが停止するまでの距離)は、80km/hでの走行時で76m、100km/hでの走行時で112m。前走車も走行していることを踏まえると、必要な車間距離は80km/hでの走行時で66.7m、100km/hでの走行時で83.3m。

ただし、これは路面が乾いている状態の話です。路面が濡れていれば、停止距離はおよそ1.5倍に延び、くわえてタイヤが摩耗して残り溝が少ない状態ならば、もっと延びてしまいます。

また雨天時の高速道路では、雨足と走行するクルマの水しぶきが視界を遮ることも。前走車や隣の車線を走行するクルマの水しぶきが、前走車のブレーキランプが見えづらくし、急ブレーキの発見を遅らせてしまうこともあります。

雨天時や降雪時は状況にあわせて速度を調整し、晴天時以上の車間距離を保ちましょう。

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問題(8) SAやPAでの車中泊は違法である

正解:×

SAやPAは、明確に車中泊を禁止していません。しかし、SAやPAは高速道路を利用する多くの人に、適切な休憩を取ってもらうことを目的とした施設です。駐車スペースがなかったからと休憩を断念し、疲労した状態で運転を続けるのは、とても危険なこと。そのため各NEXCOでは、SAやPAの利用は短時間に留め、駐車スペースを譲り合うよう呼びかけています。

仮眠程度の利用は問題ありませんが、オートキャンプ場代わりに長時間、駐車スペースを占有するのは避けるべきでしょう。

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問題(9) 目的のICを通り過ぎてしまった場合、行き過ぎた分の通行料は支払わなくてもいい

正解:○ 

各NEXCOでは、うっかり目的のICを通り過ぎてしまった、あるいは分岐を間違えてしまった人への救済措置として「特別回転」という制度を実施しています。

通り過ぎ、あるいは分岐を間違えたら、次のIC(スマートICを除く)で一般ゲートに向かいます。このとき、事前にETC車載器からETCカードを抜いておきましょう。ゲートで係の人に事情を説明すると、反対方向のICに誘導され、あらためて目的のIC、あるいは分岐先に向かうことができます。特別回転を利用すれば、通り過ぎてしまった分の利用料金は請求されません。

状況により、目的のICや分岐後の料金所で、一般ゲートからETCの処理を行うよう求められる場合もあります。また特別回転のできないICもあるので、詳しくは係の人に尋ねましょう。

首都高には、特別回転の制度はありません。目的のICを間違えたら、次のICから一般道を利用する、あるいは反対方向のICから再度、首都高を利用することになります。通り過ぎた分の利用料金の返金はなく、乗り直した場合は、あらためて利用料金を支払います。

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問題(10) 故障などでやむなく停車した場合、三角停止表示板を設置しないと違反になる

正解:○

高速道路は法令の規定や警察官の指示があった場合をのぞき、駐車や停車は禁じられています。しかし、事故や故障などやむを得ない事情に限り、例外として路肩や路側帯への駐停車が認められます。

もし、クルマの故障などで停車しなければならない場合、まずハザードランプを点灯し、クルマを路肩や路側帯へと寄せて停車後。後続車にクルマの停止を知らせるため、三角停止表示板を50m以上後方に設置しましょう。三角停止表示板の設置は法令で定められており、怠ると「故障車両表示義務違反」により罰則の対象となります(一般道では三角停止表示板の表示義務はありませんが、設置したほうが安全)。

また、あわせて発煙筒を三角停止表示板より後方(後続車からは手前)に設置することで、より早く異変に気付いてもらえます(発煙筒には使用義務がありません)。とはいえ、三角停止表示板を設置しても、後続車が停車するクルマに追突する可能性がありますから、同乗者も含めて車内に留まらず、ガードレールの外へ避難しましょう。

三井のカーシェアーズでは全シェアカーに三角停止表示板を積載しています。ただし、前の利用者がどこかで下ろし、積載を忘れてしまうケースも考えられます。出発の前には、ちゃんと積まれているかの確認をお願いします。

>>>高速道路でトラブル発生!そのときどうする?

問題(11) 故障時の救援依頼は必ず非常電話からしなければならない

正解:×

クルマが故障し、同乗者の避難や三角停止表示板などを適切に配置したら、救援の依頼を行います。救援は高速道路に設置される非常電話のほか、携帯電話からも行うことができます。だから、正解は「✕」。

非常電話は高速道路を管理する「道路管制センター」へ繋がっています。受話器を取るだけでスタッフに繋がるので、状況を説明して指示を仰ぎましょう。携帯電話を利用する場合の連絡先は、道路緊急ダイヤル(#9910)です。このときは、停車した場所を正確に伝えるため、近くの「キロポスト」の数字を確認しておきましょう。

安全な場所に移動したら三井のカーシェアーズのサポートセンターに連絡し、移動手段などの相談を行います。電話番号はアプリの会員ページや車内マニュアルで確認できます。

>>>トラブルにあった場合の対応(三井のカーシェアーズ)

今一度、高速道路のマナーや法律を見直して、安全で快適なドライブを!

クイズは何問、正解できましたか? トラブルにあった場合の対応意外と忘れている交通ルールやマナー、高速道路の利用方法があったのではないでしょうか。

正しくルールを覚えておけば不測の事態を防げ、またICの通り過ぎといったミスにも余裕を持って対処することができます。定期的に交通ルールやマナーを再確認し、安全で快適なドライブを楽しみましょう!

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