ドライブの知識

【運転の苦手克服】ETCゲートの入り方から合流や車線変更まで、高速道路の「怖い」を解消するポイント8+1

80km/h、100km/h、区間によっては120km/hと、一般道のおよそ2倍の速度で走行する高速道路は、「スピードが速い」というだけで、苦手意識を持ってしまいがち。

しかし、それ以上に高速道路の運転にハードルを感じてしまうのは、合流や車線変更ではないでしょうか?

一般道と比べて難しい部分があるのは、たしかです。でも、いくつかのポイントを頭に入れて、落ち着いて運転すれば大丈夫。そして、一度うまく走ることができれば、高速道路も怖くなくなります。

<目次>
ポイント1:料金所では「迷わない」が大事
ポイント2:本線へ合流、その前に……
ポイント3:合流は「加速」と「タイミング」
ポイント4:本線に入ったら「一定の速度」で
ポイント5:車間距離はできるだけ長く
ポイント6:急に暗くなるトンネルはどうする?
ポイント7:「追い越し」も要領は「合流」と同じ
ポイント8:高速道路を「下りる」が苦手な人も
その他のポイント:1時間に1回は休憩を
あとは経験のみ!高速道路の運転をマスターしよう

ポイント1:料金所では「迷わない」が大事

まずは、高速道路に「乗るところ」から。インターチェンジ(IC)で最初に出てくる難所が、料金所です。

ETCを利用する場合は、「ETC」もしくは「ETC/一般」のレーン、現金やクレジットカードの場合は「一般」のレーンに向かいますが、難しいのはたくさんレーンがある大きなICから乗るとき。

現在は、多くのレーンが「ETC」もしくは「ETC/一般」となっていて、走行車両のほとんどがETCレーンを利用しますから、ETCで通行する場合は、「前のクルマについていけばOK」と考えておくといいでしょう。

「どのレーンが空いているかな?」などと考えず、前のクルマについていくのがもっとも楽で安全
「どのレーンが空いているかな?」などと考えず、前のクルマについていくのがもっとも楽で安全

そう考えておけば、「どのレーンに入ればいいだろう」「やっぱりあっちのほうがいいかな?」と、迷ったり不安に思ったりすることがなくなります。

ETCレーンを通過するときは、20km/h程度まで減速して前方のバーが開いたのを確認してからゲートを通過するようにしてください。

ETCカードを持っておらず、現金やクレジットカードを利用する場合、必ずではありませんが、左端のレーンが「一般」レーン、または「ETC/一般」の混在レーンとなっていることが多いようです。

ETCを利用しない場所は、「前のクルマについていく」ではなく、「もっとも左のレーンに行く」と頭に入れておくとよいでしょう。また、一般レーンを通行するときは、ゲートで停車して、発券機から通行券を受け取ってください。

ちなみに首都高速の一部など、ETC専用で現金車利用不可の入口もありますETCカードを持っていない人は、出かける前に確認しておくことをおすすめします。

「現金車利用不可」のゲートも首都高速などにはあるので注意しよう
「現金車利用不可」のゲートも首都高速などにはあるので注意しよう

>>>首都高をスムーズに走るには? 走行のポイントや注意点を解説!

ポイント2:本線へ合流、その前に……

料金所のゲートを通過したら、いよいよ本線に入ります。通過したあとは、他のゲートから出てきたクルマが合流してくるので、周囲のクルマの動きに注意しながら、行きたい方面の分岐看板に沿って本線へ進みましょう。

十分に速度を落としてゲートに入ると同時に、通過後の安全確認を考えよう
十分に速度を落としてゲートに入ると同時に、通過後の安全確認を考えよう

とくに、レーンの数が多い料金所では、多くのクルマが一気に合流してくるため、ゲートを通過する前から心がまえをしておき、ミラーと目視で左右と後方をよく確認しながら進みましょう。

ポイント3:合流は「加速」と「タイミング」

本線が見えてきたら、合流の準備へ。高速道路に苦手意識を持っている人に、難しいポイントを聞くと「本線への合流」を挙げる人がたくさんいます。確かに、速いクルマの流れの中に入っていくのは、最初のうちは不安なもの。2~3回、経験すると、感覚が身についてくるはずです。

まず、本線までの進入路で前後にクルマがいたら、十分に車間距離を空けて合流しやすくしておきます。そして、合流前の加速レーンで、できるだけ本線の速度に近くなるまでスピードを上げましょう。

怖いからといつまでも低速で入っていると本線に入れないので、思い切ってアクセルペダルを踏み込もう
怖いからといつまでも低速で入っていると本線に入れないので、思い切ってアクセルペダルを踏み込もう

高速道路の本線は流れが速いので、この中に遅い速度で入っていくのは危険です。「加速が怖いから」といって速度を上げずに進んでいくのは、徒競走をしている中に、徒歩で割り込んでいくようなもの。しっかりアクセルを踏み込んで、速度を上げましょう。

そして、加速すると同時に、ミラーと目視で合流する車線をチェックして、「あの赤いクルマの後ろはクルマがいないから、赤いクルマが行ったら入ろう」「トラックが来ているけど、かなり後ろだから先に入ろう」と、合流するタイミングを決めます。

このときのコツは、ウインカーを早めに出して、しっかり合流するアピールをすること。早目にアピールしておけば、本線を走るドライバーが、「合流してくるクルマがいるな」と速度を調節して入りやすくしてくれます。

ポイント4:本線に入ったら「一定の速度」で

高速道路の本線を走る上で、上手な運転と下手な運転の違いは何だと思いますか?

それは速度のコントロールです。運転が上手な人は、常に一定の速度で走行します。

「一定速度で走るには、アクセルを一定に踏んでいればいいのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、それでは上り坂で速度が落ちたり、下りで加速したりしてしまいます。

上り坂では少しアクセルを踏む、下りでは反対に緩める操作をして、坂道でも一定の速度で走るように心がけてください。とはいえ、わずかな勾配では、その変化に気づきにくいものです。常にスピードメーターを気にしながら走ると、少しの速度の変化にも気づくようになるはずです。

スピードメーターを気にしながら、道路の変化も意識して走る
スピードメーターを気にしながら、道路の変化も意識して走る

前を走るクルマが速くなったり遅くなったりすると、常に気を使っていなければならず、疲れてしまいますし、渋滞や事故の原因にもなります。一定速度での走行は、自分だけでなく周囲のためでもあるのです。

>>>あおり運転「しない・させない」安全運転のポイント

ポイント5:車間距離はできるだけ長く

ポイント4と同様、本線で大切なのが、車間距離をしっかりとること。では、車間距離はどれくらいをとればよいでしょうか?

答えは「前のクルマが急ブレーキを踏んでも、ぶつからない距離」です。前にクルマが走っていたら、「このクルマが急に止まったら、自分も止まれるかな?」と考えてみてください。

もし前のクルマが急ブレーキをかけたら……と考えると、車間距離を空ける大切さがわかるはず
もし前のクルマが急ブレーキをかけたら……と考えると、車間距離を空ける大切さがわかるはず

車間距離の目安として、80km/hで80m、100km/hで100m、雨の日はその2倍と言われていますが、車間距離は長ければ長いほどいいもの。「開けすぎじゃないかな?」と思うぐらいがちょうどいいと思っておくといいでしょう。

高速道路では、以下の写真のような車間距離を確認する白線や確認基点があるので、目に入ったらぜひ利用してください。

「車間距離確認表示板」が出てきたら、前方車両がいなくても車間距離の感覚をつかもう
「車間距離確認表示板」が出てきたら、前方車両がいなくても車間距離の感覚をつかもう

ポイント6:急に暗くなるトンネルはどうする?

明るいところから急に暗いところに入ると、目が慣れるまで少し時間がかかるもの。トンネルへの進入は、慎重に行いましょう。

トンネル内で注意したいのは、スピードを出しすぎてしまうこと。トンネル内では景色の流れを感じづらいので、スピード感が変わり、無意識にスピードを出してしまいがちになるのです。また、知らず知らずのうちに車間距離が詰まってしまうことも。

トンネルの中はスピードや車間距離の感覚が狂いがち。特に意識して走りたい箇所のひとつ
トンネルの中はスピードや車間距離の感覚が狂いがち。特に意識して走りたい箇所のひとつ

特にトンネル内のカーブは見通しが悪いため、車間距離やスピードに注意して走行するように気をつけておきましょう。

また、トンネルではライトの点灯を忘れずに。これは、前後のクルマに自分の存在をアピールするためです、とはいえ、2021年以降の乗用車には、暗くなったらライトを自動的に点灯するオートライトが義務付けられていますから、特にライトONの操作をしなくても点灯します。

>>>標識、トンネル、サービスエリア…高速道路が楽しくなる9つの豆知識

ポイント7:「追い越し」も要領は「合流」と同じ

分岐があるときや、遅いクルマを追い越したいときには、車線変更が必要です。

車線変更も、「高速道路で怖いポイント」としてよく言われますが、その要領は合流と同じ。早めにウインカーを出したうえで、クルマがうまく途切れるタイミングを見て、隣の車線へ移ります。

ウインカーは「これから車線変更をしますよ」と周囲のクルマに知らえるためのもの。早めに出すようにしたい
ウインカーは「これから車線変更をしますよ」と周囲のクルマに知らせるためのもの。早めに出すようにしたい

特に追い越し車線へ入るときは、本線へ入るときと同じように、速度を上げて、追い越し車線を走るクルマと合わせることが大切。追い越し車線に入ったら、走行車線に戻るタイミングを伺いながら走行します。そして、追い越しが終わり、戻れるタイミングが訪れたら、元の走行車線に戻ります。

追い越しは、あくまでも「追い越しのための車線」です。追い越しが終わったら、すみやかに走行車線に戻りましょう。追い越し車線を走り続けることは、後続車の迷惑になるだけでなく、道路交通法第20条に違反する「通行帯違反」となります。

>>>知らずにやっているかも…? 「意外な交通違反」に気をつけよう

ポイント8:高速道路を「下りる」が苦手な人も

ここまで紹介したポイントがマスターできれば、高速道路を運転するコツやテクニックは万全です。しかし、最後に油断してはいけないのが、高速道路を下りるとき。「目的のインターを通り過ぎてしまった経験があって苦手意識を持っている」、そんな人もいるものです。

でも、「下りる準備」をしておけば大丈夫。まずは、「●●出口 2km」と、目的のインターまで2kmの表示を見たら、左の車線に入ります。1kmの表示を見てからでは、車線変更できるタイミングを失ってしまう可能性があるからです。もちろん、2km以上前に車線変更しておけば、さらに安心感は高まります。

目的のインターチェンジが標識に出てきたら、早めに左車線に入っておくと安心
目的のインターチェンジが標識に出てきたら、早めに左車線に入っておくと安心

ウインカーを出して本線を降りたら、料金所までカーブが続くので、スピードを落としましょう。本線を走った直後は、目の感覚がスピードに慣れた状態になっています。スピードメーターを見て、しっかり減速してください。一般道に出たあと、スピードを出し過ぎないように注意しましょう。

>>>高速道路でトラブル発生!そのときどうする?

その他のポイント:1時間に1回は休憩を

高速道路に乗るところから下りるところまで、8つのポイントをお伝えしてきました。この8つのポイントをマスターすれば、きっと高速道路の苦手克服ができるでしょう。最後にもうひとつだけ、大切なポイントを覚えておいてください。それは「休憩」について。

信号や交差点のない高速道路は、長距離の移動にとっても楽な道路です。しかし、それだけに知らず知らずに疲れが溜まって集中力が落ちてしまうもの。「疲れたなぁ」と感じる前に、早め早めにサービスエリアやパーキングエリアで休憩を取るようにしてください。

運転に集中していると疲れを感じづらいもの。疲れを感じる前に休憩をとってリフレッシュしたい
運転に集中していると疲れを感じづらいもの。疲れを感じる前に休憩をとってリフレッシュしたい

目安としては、1時間に1回。2時間連続の運転は、高速道路に慣れた人でも疲れるものです。集中によって疲れた目の緊張をゆるめたり、外の空気を吸ったり、クルマを降りて施設内を少し歩くだけでも、リフレッシュになります。

また、突然の事故渋滞などでトイレに行けなくなる可能性もあるので、トイレ休憩という意味でも、早めに立ち寄っておきたいものです。

>>>SA・PAの達人に聞く「人気&おすすめのサービスエリア・パーキングエリア」関東編

あとは経験のみ!高速道路の運転をマスターしよう

高速道路に苦手意識を持っている人の中には、慣れないために“食わず嫌い”になっている人も多いはず。今回のポイントを頭に入れたうえで、何度かチャレンジしてみれば、きっと克服できるでしょう。高速道路の運転をマスターし、行動範囲をググッと広げて、さらにドライブを楽しんでくださいね!

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